若手懇談会前回の講演会
103回講演会報告について


第103回若手懇談会開催報告

【【日時】2011年7月28日(木)13時55分〜18時15分
【場所】ニューガラスフォーラム会議室

[講演]「ガラス鏡面研磨用酸化セリウムの使用量低減技術」
      立命館大学 谷泰弘先生

 谷先生のご専門は「加工工具」です。今回は、近年、価格の急騰により注目されている酸化セリウムのガラス研磨時の使用量低減技術につきましてご講演頂きました。研磨特性を向上させるには、@砥粒、A工具、B研磨方法の変更が必要です。ガラスの研磨では、@砥粒として酸化セリウムが多く用いられていますが、谷先生の研究室では、コア部に有機物もしくは無機物を用いたコアシェル型の複合砥粒を開発されています。これにより砥粒の分散性が高まり、研磨能率が向上するとのことでした。また、A工具として、従来のウレタンパッドからエポキシパッドにすることで、格段に研磨能率が向上することを発見されました。エポキシパッドを使用すると酸化ジルコニウムを砥粒に用いても、従来の酸化セリウムを越える研磨能率が得られ、酸化セリウムの代替が可能とのことでした。このような大幅に酸化セリウムの使用量を削減できる非常に画期的な新技術をご紹介頂きました。 谷先生ご講演



[講演]「ガラスの研磨加工」
      埼玉大学名誉教授 河西敏雄先生

 河西先生のご専門は「研磨」です。ガラスの粗面研磨から超精密研磨までの技術につきましてご講演頂きました。河西先生が開発された研磨機器をご紹介頂き、また、現在に至るまで研磨技術の発展を詳細にご説明頂きました。また、ガラスの鏡面研磨技術に加え、研磨面の潜傷の例、さらに評価方法などご紹介頂きました。その中で、ガラスを鏡面加工にするには、最終的にはポリシングを行いますが、その前加工、さらに前々加工の影響が出る場合があるため、ポリシング以外の研磨工程にも気をつけるべきとのことでした。この件は、質疑でも盛り上がり、前工程の影響により潜傷が生じることも多々あるため、鏡面仕上げ以外の工程の重要性を強調されておられました。聴講者一同、研磨の全工程の重要性を改めて認識することができました。 河西先生ご講演



 今回は「ガラスと加工」をテーマに先生方にご講演頂き、また、近年のレアアース問題もあり多くの方にご参加頂き、講演後の質疑も普段以上に盛り上がった講演会となりました。また、ご講演頂きました先生方ならびに多くの参加者の皆様には講演後の懇親会にもご参加頂き、多くの方が交流を深めることのできた懇親会となりました。ご参加頂いた皆様には、本会を盛り上げて頂きましたことを感謝致します。今後ともNGF若手懇談会をよろしくお願い致します。

以上

2011年8月25日
若手懇談会 副会長
牧野良之・三田村直樹




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