若手懇談会第73回若手懇談会始末記


第73回若手懇談会は以下の内容で行われました。

日時:2003年10月24日(金)

場所:(社)ニューガラスフォーラム 田中田村町ビル8階 A会議室


総会:
 第1号議案 平成14年度活動および収支決算見込み報告の件
 第2号議案 任期満了に伴う役員改選に関する件

講演:
 (1) 「コンビナトリアル技術とガラス材料研究」
    (独)物質・材料研究機構   轟 眞市 先生
 (2) 「ガラス線量計の開発動向」
    旭テクノグラス(株)   池上 徹 先生
 (3) 「薄型半導体ウェハの新しい分断技術(ステルスダイシング技術)」
    浜松ホトニクス(株)   内山 直己 先生

 総会  轟先生の講演  池上先生の講演  内山先生の講演  懇親会風景

 参加者:24名(事務局3名除く)

内容:
 今年最後の若手懇談会は24名の方に参加頂き、総会および3件の講演を行いました。
 まず、(独)物質・材料研究機構の轟先生から、表題のテーマについて、特に轟先生が関わっておられるガラス試料合成、熱処理、光学特性評価と連なる研究プロセスに対するコンビナトリアル技術の導入という話題を中心にご紹介頂きました。この技術導入によって多数試料の一括合成・高速評価を可能にし、さらにガラスの安定性・物性評価をも高速化させることができるというお話でした。光エレクトロニクス、光通信等に不可欠なデバイスの開発につながる新たな現象の発現や技術の開発ととらえることができ、今後、さらなるご活躍が期待されます。
 引続き、旭テクノグラス(株)の池上先生から、ガラス線量計の原理・特徴、開発経緯、から現在使用されている用途及び製品についてご紹介くださいました。特に過去の欠点を克服した技術改良のポイント、今後の開発動向について説明して頂きました。この素子は、フィルムに比べて感度が良く、現像液を使わなくて済み、熱処理(アニール)によって繰り返し使えるなど環境面でも優れていて、今後、放射線使用分野等で更なる実用化が期待されます。
 最後に、浜松ホトニクス(株)の内山先生より、薄型半導体ウェハの表面に損傷を与えず、内部に形成した改質層を起点にチップ分割を実現するというステルダイシング技術についてご紹介頂きました。この技術は、現在主流となっているブレードダイシング(切削)方式と比較して、高速化・高品質化・完全ドライプロセス化を実現することができ、半導体製品のコストダウンというだけでなく、対環境性にも貢献できるというお話でした。ガラスの切削においても、キズやゴミ、そして大きなカットロス等が生じることから、このような技術の導入が期待されます。
 その後の懇親会でも、活発な討議がなされ、大変充実した懇談会となりました。

 今回の総会で役員3名が入れ替わり、次年度に引き継ぐことが出来ました。次年度は、伏見新会長のもと、新体制での運営となりますが、今年以上に充実した企画により有意義な懇談会となるよう盛り上げて参りますので、来年度も奮ってご参加下さい。


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