若手懇談会前回の講演会
98回講演会報告について


第98回若手懇談会開催報告

【日時】2010年2月16日(金)13時〜17時10分
【場所】ニューガラスフォーラム会議室

[講演]「ホストガラスの組成による発光制御」
      鈴鹿高専 和田憲幸 先生

 ガラスに希土類イオン、遷移金属イオンおよび欠陥を導入することにより、ガラスを発光させることができます。今回のご講演では、ホストガラスの組成から発光を制御するという研究について、サンプル作製・蛍光測定方法などを含め、詳細に説明いただきました。また、ガラスの組成を数値化するためのパラメータとして、塩基度を用いることによって、ガラスの発光波長シフトや発光強度の変化が説明できることが理解できました。ガラス物性を理解する上で大変参考になるご講演でした。 矢澤先生ご講演



[講演]「光機能ガラスへの材料工学的アプローチ」
      愛媛大院 武部博倫 先生

 リン酸塩ガラスを中心として、光機能ガラスの光学物性、結晶化挙動の解明、耐水性向上など、様々なトピックスについてお話いただきました。また、高温下でも結晶化しないリン酸塩ガラスの応用として、熱インプリントによる微細パターンの作製もご紹介いただきました。盛り沢山の内容で、リン酸塩ガラスを研究する方に限らず、様々な方に参考にしていただけたことと思います。 森戸先生ご講演



[講演]「ガラスの結晶化と光波制御ファイバへの応用」
      東北大院  藤原巧 先生

 光ファイバは、ガラスの大きな特徴である透明性と形態制御性の二つを併せ持った製品です。このファイバに構造制御を加えることにより、さらなる特性を付与しようという研究についてご講演いただきました。特に、ガラスに二次光非線形性を与えるために、結晶化に着目し、特定の部位のみを結晶化する方法や、近年、産学連携により成功を収めた光波制御機能を有する光ファイバ型デバイス開発について紹介いただきました。従来技術から発展させ、さらに良いものを作ろうとする姿勢に、絶えることなく技術改良を重ねていくことの大切さを感じました。 藤原先生ご講演



 今回の講演会はテーマを「ガラスと光」とし、ガラスの光学物性やその作製方法、ガラスを用いた光学素子に関する先端研究について講演いただきました。一口に光と言っても、先生方には基礎から先端研究の内容まで丁寧にご説明いただき、幅広い知識を習得することができたと思います。 また、ニューガラスフォーラム移転に伴い、今回から講演場所も新しくなりました。新役員体制になって初めての講演会でもあり、至らぬ点もあったかと思いますが、今後ともよろしくお願いいたします。

以上

2010年3月16日
若手懇談会 副会長
小路谷将範・加藤幸子




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