ナノガラスとは
ナノメーターレベルの構造を有するガラス

 ナノとは10のマイナス9乗の桁を言いますが、地球を例に取って説明しますと、地球の直径は約14000kmですが、その1nano とは、僅か14mm となり、1円玉より一回り小さな大きさしかありません。


どの様にしてナノメーターレベルの構造を作るか。


その方法: 光を使った例
 光を使った例では、フェムト秒レーザをレンズで絞って、ガラスの内部に粒子で示したようなナノメータレベルの周期的な構造や直線を描いたりして作ります。もちろん、曲線を描いたり、穴を空けたりもできます。


その方法: 熱を使った例
 熱を使った例では、ガラスを加熱することによって光が透過できる程のナノメータレベルの微細な結晶をガラス中に作ります。このガラスは透明結晶化ガラスと呼ばれ、見た目には普通の透明なガラスと同じように見えます。


その方法:力を使った例
 最後に、力を使った例です。力には張力や圧力などの一般的な力と、磁石の力の磁力、電気の力の電場を矢印のように一方向に加えることによって、ガラスの表面や内部に例えば棒状のナノメータレベルの規則的な構造を作ります。


ナノメーターレベルの構造で何ができるか。

 ガラスにナノメーターレベルの大きさの揃った孔をたくさん開けるることによって、ガスとか有害物質を効率よく分離する膜が出来ます。

 ガラスの表面を傷つきにくくしたり、内部をしなやかにする事によって、ガラスを割れにくくする事が出来ます。その結果として、ガラスの厚みを薄くすることも出来ます。

 ガラスにナノメータサイズの半導体の微粒子を綺麗に分散させることによって従来よりも30倍明るいディスプレー用の蛍光材料出来ます。

 光を曲げたり、二種類の光を合体させたり、逆に分けたりするような素子を集積した三次元の光回路デバイスが出来ます。