若手懇談会前回の講演会
100回講演会報告について


第100回若手懇談会開催報告

【日時】2010年7月23日(金)13時00分〜16時15分
【場所】長岡技術科学大学 物質材料・経営情報1号棟 5階 大会議室

[講演]「磁気転写用ガーネット薄膜の作製と磁気イメージングへの応用」
      長岡技術科学大学 石橋隆幸先生

 磁気イメージングとは、物質の磁気的な性質を利用して観測し、その情報を画像に変換して可視化する技術です。磁気イメージングの方法は様々ありますが、中でも、磁気光学イメージング方法と呼ばれる方法は、試料の上に磁気転写膜を置き、試料表面の漏洩磁界の強さを、磁気光学効果によって光の強弱の分布として観察する方法です。また、この方法では、試料表面の磁界分布だけでなく試料内部を流れる電流を観察することもできます。 石橋先生は磁気転写膜として使用するガーネット薄膜や、磁気光学顕微鏡の研究をされています。ご講演の中では、ガーネット薄膜中にBiを導入することにより大きな磁気光学効果が発現した事例や、スピンコート法による薄膜作製でガーネットの磁区構造を防いだ例をご紹介いただきました。 普段あまり聞きなれない分野ですが、基礎の部分から分かりやすく講演していただき、新たな知見を得ることができました。 石橋先生ご講演



[講演]「長岡技科大における機能性ガラス及び結晶化ガラス開発の取り組み」
      長岡技術科学大学 小松高行先生

 小松先生の研究室では、主として結晶化ガラスの生成とその応用に関して研究されており、今回のご講演では様々な組成のガラス、その評価方法などについてご講演いただきました。 例えば、ガラスを母材とする材料では世界最高の二次非線形光学定数をもつBaO-TiO2-GeO2結晶化ガラスをご紹介いただきました。また、様々な組成を有するガラスの表面にNd:YAGレーザー等を当て、さらに連続的に走査することによって、ガラス表面に任意の形状で光非線形性、強誘電性、圧電性、電気伝導性を有する結晶相のマイクロパターンを作り込むことができます。この手法を用い、導波路型光デバイス(光スイッチ・光変調等)への応用が考えられています。 ガラスに結晶を出現させることによって新たな性能を付け加えることのできる技術に、ガラスの限りない将来性を感じることができました。 小松先生ご講演



[見学会]「石橋研究室・小松研究室見学」
      

 ご講演いただいた石橋・小松両先生の研究室を見学させていただきました。石橋先生の研究室では、クレジットカードの磁気ストライプの上にガーネット薄膜を置き、偏光光を照射したところ、縞状の模様が観察することができました。小松先生の研究室では、実際にガラス表面にレーザーを照射し、結晶化していく様子を観察させていただきました。ご講演いただいた内容が間近で観察でき、より深く理解することができたと思います。    



 今回は記念すべき第100回目の若手懇談会ということで、長岡技術科学大学で見学会を開催させていただきました。また、先生方を初め、石橋・小松研究室の皆様には準備段階からご協力いただき、深く感謝いたします。恒例の懇親会にも多数の参加をいただき、活発な意見交換・交流ができました。これからも若手懇談会をどうぞよろしくお願いいたします。

以上

2010年9月2日
若手懇談会 副会長
小路谷将範・加藤幸子




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