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102回講演会報告について 第102回若手懇談会開催報告
[講演]「ガスジェット浮遊法を用いた高温融体の放射光X線回折」 水野先生のご専門は「液体・非晶質の構造と物性」です。今回は、無容器法の1つでありますガスジェット浮遊法を用いた金属ガラス形成合金の液相構造解析についてご講演いただきました。無容器法を用いることで、容器界面の影響を排除でき、高温融体の構造を精度良く調べることができます。ご講演では、先生が作製された装置の全体像や、実験結果についてご説明いただき、X線回折を用いたガラス融体の構造解析法を学ぶことができました。中でもガラス化のし易さに局所構造の形成の有無が関係するといった構造解析ならではの結果を知ることができました。 [講演]「ガラス融液の高温熱物性:測定技術の開発と最近の進展」 菅原先生は、「ガラス融液の熱物性の計測技術の開発」をされています。ご講演では、ガラス製造工程を熱力学的観点からご説明していただくと共に、各熱力学パラメーターの計測のために、先生が自作された装置や実験結果などについてご説明いただきました。その中で、ひとえに熱物性といっても計測方法や熱力学的手法によって値や誤差が変わることがあり、目的の熱物性にあった最適な手法を選択する重要性を痛感しました。また、物性測定のために、多くの装置を自作されている先生の行動力と熱意には非常に感服しました。 [講演]「シリカガラスのガラス形成過程における構造および物性制御」 齋藤先生は「シリカガラスの構造多様性」をご研究されております。結晶シリカが構造多様性を持っている点をシリカガラスへ応用しようと現在の研究を始められたそうです。ご講演では、メルト温度や仮想温度に対する構造変化や、シリカファイバーへの応用についてご説明いただきました。仮想温度を変化させることで密度や屈折率の変化が見られる構造変化についてのご説明や、応用として、紡糸中にガラス形成を制御し様々な性質をもったファイバーの作製方法についてご講演いただきました。さらに希土類添加による性質の変化についてもご説明いただきました。 今回の「高温下でのガラスの構造と物性」をテーマに先生方にご講演いただき、多くの方にご参加いただき、講演後の質疑を普段以上に盛り上がった講演会となりました。今回ご講演頂きました3人の先生方ならびに多くの参加者の皆様には講演後の懇親会にもご参加頂き、本会を盛り上げて頂きましたこと、感謝致します。今後ともNGF若手懇談会をよろしくお願い致します。 以上 |
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