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104回講演会報告について 第104回若手懇談会開催報告
[講演]「ガラス溶融プロセス課題への対応ヒント」 田中先生は、長年にわたりガラス溶融プロセスに携わってこられました。今回、課題に対応するときの心がけや取り組み方について、先生の体験談を踏まえてご講演頂きました。課題(問題)対応に重要なのは、しっかりした仮説を立て現象を認識した上で検証することであり、多くの例を基に詳細にご説明頂きました。また、新しいプロセス開発においてはモノが新しいからといって現象が新しいとは限らず、蓄積技術の利用は積極的に行うべきとのことでした。そのため、後世への技術継承は極めて重要であり、経験の言語化によるコミュニケーションやデータベースの構築の重要性・必要性を強く述べておられました。特に現場での技術(ノウハウ)の具現化は難しく、細部まで伝承でき難いとのことでした。 [講演]「ガラスの先端光加工技術あれこれ」 平尾先生はナノガラスおよびレーザーの研究に関する第一人者です。先生の研究室で従事しておられる研究内容や装置等につきまして、映像や実際のサンプルを基にご紹介頂きました。ご講演では、超短パルスレーザーであるフェムト秒レーザーについてご説明頂きました。フェムト秒レーザーを用いると、高品位溶接・微細切断・微細穴あけ加工・微細パターニング・異質相析出といった加工がナノオーダーで可能であるとのことでした。シミュレーション等のモデル化したものを見せて頂き、非常に難しい最先端の技術を分かり易くご説明頂きました。先生は、非常に多岐にわたりご活躍されており、現在はリチウム資源開発事業にも従事されているそうです。 [講演]「私の履歴書−ガラス半導体、超イオン伝導ガラスからゾル−ゲルまで」 南先生が、これまで従事してこられた研究について、当時の思い出話も交えながらご紹介頂きました。当初は、n型ガラス半導体を研究されており、開発に成功したときは非常に感激し、今でも鮮明に覚えておられるとのことでした。その後、超イオン伝導ガラスの開発に着手され、ガラスから準安定な結晶を析出させることにより、イオン伝導度が格段に上がることを発見されました。特に、硫化物系の結晶化ガラスが非常に高いイオン伝導性を示すため、全固体リチウム電池として非常に高い期待が持てます。その他にも、ゾル−ゲル法によるコーティング膜にも注力され、撥水膜や着色膜などを開発され、実際に商品化された事例もご紹介頂きました。 今回は10月の恒例となりました「大先輩に学ぶ」をテーマに各分野でご活躍されている3先生にご講演頂きました。特に、今回は技術的な内容と共に、先生方のご体験につきましてもご紹介頂き、我々若手の研究者や技術者にとって、経験したことのない多くの情報や知見を得ることができる貴重な講演会となりました。 講演会後の懇親会では、ご講演頂きました先生方ならびに多くの参加者の皆様にご参加頂き、多くの方が交流を深めることができました。 ご参加頂いた皆様には、本会を盛り上げて頂きましたことを感謝致します。今後ともNGF若手懇談会をよろしくお願い致します。 以上 |
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