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109回講演会報告について 第109回若手懇談会開催報告
[講演]「ガラスの破壊に対する水の影響」 松岡先生のご専門は「ガラスの熱物性、融液物性、破壊特性」です。今回はガラスの破壊に対して水が与える影響についてご講演いただきました。身近にあるガラスと、同じく身近な存在である水とが結びつくことで、破壊特性すなわちガラスの強度が影響を受けるという事象についてご講演いただきました。水が存在することで強度低下が引き起こされるメカニズムを、ガラス組成や印加応力、ガラスに含有された水など様々な点から解説していただき、水存在下でのガラスの破壊特性を学ぶことができました。 [講演]「含水ケイ酸塩ガラスの構造について」 神崎先生のご専門は「鉱物学、マグマ学、結晶化学、高圧下の物質科学」です。ご講演ではガラスと水の関係に因んで、マグマの主成分である含水ケイ酸塩ガラス(メルト)の構造についてご説明いただきました。地球内部を模擬した高温高圧下でのガラス作製装置や溶融状態観察装置、ガラス中の水(OH基)の局所構造のNMR解析手法など実験的な話題をご提供頂きました。先生のご研究成果の繋がる先は、地球内部にある人類が直接見ることの出来ない状態の物質であり、その圧倒的なスケール感には感動いたしました。 [講演]「シリカガラス中のOH基とその熱処理に伴う変化」 葛生先生のご専門は「シリカガラスの構造と物性」です。ご講演ではシリカガラスの製造法によって導入されるOH基量の違いやそれに伴う物性について、また熱処理に伴う表面構造の変化についてご説明いただきました。様々な条件にてシリカガラスを高温で保持することで、OH基が拡散し、表面付近のOH基分布に変化が生じる事を留意しておかなければいけないことを学びました。また先生は近年、教育関係の仕事も精力的に取り組んでおられ、益々活躍の場を広げておられる姿には感服いたしました。 今回の「ガラスと水」をテーマに先生方にご講演いただきました。多くの方にご参加いただき、講演の際の質疑も普段以上に盛り上がりました。また、ご講演頂きました3人の先生方、ならびに多くの参加者の皆様には、講演後の懇親会にもご参加頂き、本会を良い交流の場として積極的にご活用頂きましたことに感謝致します。今後ともNGF若手懇談会をよろしくお願い致します。 以上 |
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