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110回講演会報告について 第110回若手懇談会開催報告
[講演1]「中小企業との多面的産学官連携の実例について」 京都工芸繊維大学創造連携センターの機能に加え、同センターが推進する連携事業についてご講演をいただきました。同センターでは、産業界と大学の共同研究の推進、産業界で必要とされる人材育成、地域開催のフォーラムや研究会への協力など、幅広く活動を実施しているとのことでした。活動の実例として、京都府の中小企業から構成される京都試作ネットへの学生の「ものづくりインターンシップ」を紹介していただきました。同インターンシップでは、学生に企画から生産までの各プロセスに携わる機会を与えることで、俯瞰的視点をもった人材育成を目指しているとのことでした。講演から、企業と大学、企業と企業などの連携によって生みだされる相乗効果の素晴しさを感じることができました。 [講演2]「ガラスへのイオン導入と機能化」 「イオン交換」、「ステイン法」の2つをキーワードとしてご講演をいただきました。講演では、ガラスと溶融塩の間でのイオン交換を利用した多孔質ガラスの作製について説明していただきました。ガラスのNa+イオンと溶融塩のLi+イオンをイオン交換することでガラス表面の相分離を誘起し、熱処理、酸処理と行うことで多孔質ガラスの作製が可能とのことでした。また、熱処理条件の変更による多孔質化の制御手法やステイン法による局所的なイオン交換手法についても説明していただきました。ステイン法を用いることでミクロンオーダーの微小領域でもイオン交換が可能とのことでした。講演から、イオン交換法がガラスの局所的な物性の制御において、非常に有効な手段であると学ぶことができました。 [講演3]「ZnO-Al2O3-SiO2系ガラスの結晶化挙動」 透明結晶化ガラス作製において重要となるガラス中に核生成挙動の評価についてご講演をいただきました。講演では、示差熱分析からガラス中の核生成速度の推定を行い、核生成速度の温度依存性について評価した結果を説明していただきました。結晶化ガラスの透明性は結晶粒子径に依存し、結晶粒子径は結晶成長の時点での核の数に依存するため、核生成挙動を把握することは重要とのことでした。実際に作製した結晶化ガラスの写真も見せていただき、核生成熱処理条件や核生成剤が透明性に及ぼす影響についても説明していただきました。結晶化ガラスにおける核生成挙動把握の重要性が理解できました。 今回、京都工芸繊維大学にて研究室見学会及び講演会を開催しました。研究室見学会では岡本・塩野研(高温材料学研究室)、中研(応用錯体化学研究室)、角野・若杉研(無機材料物理化学研究室)に訪問し、研究内容及び研究設備を紹介いただきました。研究室を案内して頂きました先生方に感謝致します。ご講演頂きました先生方、ならびに参加者の皆様には、講演後の懇親会にもご参加頂き、本会を良い交流の場として積極的にご活用頂きましたことに感謝致します。今後ともNGF若手懇談会をよろしくお願い致します。 以上 |
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