[見学会]「トヨタ自動車(株) トヨタ会館、元町工場」
トヨタ自動車(株)のトヨタ会館、元町工場の見学を行いました。トヨタ会館では、トヨタ自動車(株)の環境や安全に対する取り組みの様子やトヨタ生産方式に関する展示がありました。元町工場では、自動車の組立工程、溶接工程を見学しました。組立工程では、トヨタ会館で展示されていた“かんばん方式”などが実際の生産ラインで運用されている様子が見学でき、トヨタ生産方式を目の当たりにするよい機会となりました。
[講演1]「ガラスでUVケア?女性ドライバーを魅了する99%UVカットガラス!」
旭硝子(株) 濱野 直 先生
紫外線(UV)を99%カットする自動車用ガラスの開発について、ニーズの探索方法から商品の提案方法まで、幅広くご講演いただきました。従来、自動車用ガラスは自動車メーカーからの要求に応える形で開発が進んでいましたが、旭硝子では、ニーズの調査を直接行い、女性ユーザーを中心にUVカットガラスに対するニーズがあることを把握しました。そこで、ガラス表面にUV吸収材料をコーティングし、世界で初めて99%のUVをカットするガラスを開発しました。さらに、このガラスの拡販のため、単に自動車メーカーへガラスを提案するだけでなく、UVカットの効果を可視化したツールも合わせて開発することで、ユーザーに商品価値をわかりやすく伝える工夫をしたとのことです。また、現在では紫外線だけでなく赤外線も大幅にカットするガラスを開発したとのことです。材料メーカーがニーズを拾い開発品を最終製品メーカーに提案するビジネスモデルを構築したということで、非常に興味深い内容でした。
[講演2]「太陽光パネルガラスと自動車ガラスにおける最先端リサイクル技術と展望」
ガラス再資源化協議会 加藤 聡 先生
自動車用ガラスや太陽光パネルガラスのリサイクル技術開発と、使用済みガラスの再利用サプライチェーンに関するご講演をいただきました。自動車用ガラスでは、合わせガラスの中間膜やリアガラスの熱線を分離する技術を確立し、ガラス、中間膜、熱線をそれぞれ再利用することが可能となりました。また、太陽光パネルでは、使用されたガラスと銀を分離する技術を確立しただけでなく、回収されたパネルがどの程度使用可能か評価する方法も研究開発中とのことです。さらに、回収したガラスを酸化物系セラミックの原料とすることで、天然原料の使用量を抑えることを検討しているとのことでした。ガラスメーカーとして、ガラスのスペックだけでなくリサイクルも視野に入れた開発の必要性を感じる講演でした。
今回、「ガラスの使い手」をテーマに、見学会では自動車工場を訪問し、ガラスが使用されている現場の見学を行い、講演会では自動車用ガラスの開発、リサイクルに関するご講演を行っていただきました。さらに、講演会では参加者の方からも質問を多くいただき、活発な議論が行われました。本会を良い交流の場、情報交換の場としてご活用いただきましたことに感謝いたします。今後ともNGF若手懇談会をよろしくお願い致します。
以上
2015年7月21日
若手懇談会 副会長
池尻純一、山本陽介