若手懇談会前回の講演会
125回講演会報告について


第125回若手懇談会開催報告

【日時】2017年2月6日(月)13時55分〜17時10分
【場所】日本ガラス工業センター
【テーマ】ガラスの未来を切り開く -ガラスの新規製造・プロセス技術-

[講演1]「大型ガラス基板のマイクロ流路・マイクロストラクチャー加工-将来の低コスト、高精度バイオセンシングを狙って-」
         アルバック成膜株式会社 小島 智明 先生

 成膜技術、研磨技術、ガラスエッチング技術、マイクロブラスト技術、ボンディング技術等を駆使して、 GMEMS(ガラスMEMS)を作製する技術についてご紹介いただきました。エッチング加工においては、大型基板で高精度、 低欠陥エッチング加工を行うための留意点として、エッチングプロセスの最適化はもちろん、ガラス材料自体の均質性 などもケアする必要があるとのことです。ブラスト加工においては、チッピングの発生を極力抑えるためのマイクロブラスト 技術についてご紹介いただきました。また、マイクロ流路にフタをするための各種接合技術および大型基板を欠陥なく 接合する方法について、接合メカニズムや接合の様子を動画で見せていただきながらご説明いただきました。今後、 ライフサイエンスや医療分野に対してGMEMSの応用が進んでいくことが期待されます。 小島先生ご講演



[講演2]「脆性材料の切断加工技術」
      三星ダイヤモンド工業株式会社 留井 直子先生

 スクライビングホイールによるガラスの切断加工に関する技術のほか、セラミックス材料の切断、レーザー による切断技術についてご紹介いただきました。ガラスのスクライビングホイールについては、各種スクライビングホイールの 種類とガラスの種類・厚み毎の選定の指針を教えていただきました。Normal WheelとPenettRの比較について、高速度 カメラの映像からクラックの進展の様子などご紹介いただき、ガラスの切断現象に関する理解が深まりました。そのほか、 薄板ガラスのホイールスクライブ装置や、ガラス以外の材料の切断としてアルミナセラミックスのホイールスクライブに使用 可能なTougheelRを開発されるなど、ガラス・セラミックス材料の切断技術への幅広い取り組みをご紹介いただき、 切断加工技術の奥深さに触れることができました。 留井先生ご講演



[講演3]「次世代光学素子のための高付加価値製造技術」
      東北大学大学院医工学研究科 厨川 常元 先生

 日本のモノづくりに求められることが「安く大量に」から、「いかに高付加価値のモノを作るか」というステージに 変わってきており、On demand型(コンビニ型)、高付加価値型の技術が求められているとのことです。加工技術については、 単に形状を作るだけでなく、形状創成によって機能も付与させる機能創成加工に取り組まれており、ナノテクノロジーの次 の取り組みとしてのピコテクノロジー精度の加工についての取り組みをご紹介いただきました。ナノ精度やピコ精度の高精度 に加工するための加工機の設置・温度環境や砥石の目出しの重要性について教えていただきました。また、各種複合加 工(ハイブリッド振動加工、超音波援用電界加工、超音波振動援用プラズマ放電加工など)による微細構造創成技術 についてご紹介いただきました。金型によるレンズ成形のプロセスについては、FEMシミュレーションなどを駆使し、非等温ガラ ス成形による高精度非球面レンズの高速成形技術についてご紹介いただき、高精度の成形や加工技術に関して理解が 深まりました。 厨川先生ご講演



 今回、ガラスの新規製造・プロセス技術について3つのご講演を拝聴し、ガラスの加工技術、成形技術などに関する理解 が深まりました。各技術について、メカニズムや手法などについて詳しくご説明いただき、また、最先端の取り組みについてもご 紹介いただけたことは、若手研究者にとって実りある会であったと思います。講演会後の懇親会では、より深い技術ディスカッ ションもでき、産学問わず様々な分野の講師の先生方と技術交流ができるのは本会の特徴の一つと思います。 今後とも是非NGF若手懇談会をよろしくお願い致します

以上

2017年2月20 日
若手懇談会 副会長
浜田 剛、川口 雄揮




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