若手懇談会前回の講演会
127回講演会報告について


第127回若手懇談会開催報告

【日時】2017年7月7日(金)12時00分〜19時00分
【場所】浜松ホトニクス株式会社 豊岡製作所および中央研究所
【テーマ】ガラスを極める ‐ノーベル賞を支えた技術とその活力‐

[見学会] 浜松ホトニクス株式会社 豊岡製作所および中央研究所の見学

 豊岡製作所では光電子増倍管の製造工程および関連製品群の展示を見学させていただきました。カミオカンデに使用されたφ数十cmサイズの物から、 半導体加工技術を使用して作られた指先程度のサイズの物まで様々な光電子増倍管を製作されています。光電子増倍管は非常に感度の高い光センサーであり、 1つの光子を検出することが可能とのことです。このような大小様々な高感度の光センサーを用いることで今まで見えなかったものを見ることができるようになるなど、 各種計測・検出用途を始め、様々な分野に役立つものと感じました。中央研究所では、フォトンカウンティングを応用した光合成の観察、半導体レーザー、 空間光変調器、PET技術などについての展示やデモを見学させていただきました。光に関する技術を突き詰め、色々な用途を開発されています。

[講演]「浜松ホトニクスが進めるナノホトニクスの研究開発事例紹介」
         浜松ホトニクス株式会社 材料研究室 藤原 弘康 先生

 ナノ構造と光との相互作用を利用するナノホトニクスについて、 近接場光による波長変換技術、有機分子によるフォトニック結晶作製技術、面発光型フォトニック結晶レーザーを例にご講演いただきました。 有機分子を使ったフォトニック結晶について、有機分子の重合体長さをコントロールすることで、自己組織的なナノ周期構造を形成できるとのことで、 作製面積・コストなどの面で課題が多い半導体プロセスによるナノ構造形成に比べて、比較的容易にナノ構造を形成できるメリットがあります。 この技術を使用することで、急峻な波長カット特性を持つ波長フィルターを製作することができています。 また、フォトニック結晶ナノ構造によって、高出力単一波長の半導体面発光レーザーを作製されるなど、ナノ構造による新たな光の活用事例をご紹介いただき、 今後応用が進んでいく分野だと感じました。

 今年のNGF若手懇談会では、「ガラスを極める」のメインテーマのもと、各種の講演・見学会を企画しています。今回の見学会では「ノーベル賞を支えた技術とその活力」と題し、浜松ホトニクス株式会社 豊岡製作所・中央研究所を見学させていただきました。見学・講演会を通して、光についての技術を極めている同社の技術力の高さを感じました。また、同社は、浜松を光産業の中心にしよう!という「浜松光宣言2013」にも調印されるなど、光産業の発展に向けて精力的に活動されています。会社の文化としても、「真の価値は金ではない。新しい知識だ。」という考えがあるとのことで、今回参加いただいた皆様におかれましては、技術的な内容はもちろんのこと、ノーベル賞を支えるような革新的な技術を生み出す土壌とはどういうものか、その一端に触れることができたのではないでしょうか。 NGF若手懇談会では、このような魅力的な講演会・見学会を企画してまいりますので、今後ともよろしくお願い致します。

以上

2017年7月21日
若手懇談会 副会長
浜田 剛、川口 雄揮




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