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132回講演会報告について 第132回若手懇談会開催報告
[講演1]「パリ協定のNZEが要求するイノベーション〜過去の製造業の技術は全く使えない??〜」 2015年12月に合意された「パリ協定」で要求されているNZE(Net Zero Emission)を実現するためのイノベーションのあり方についてご講演頂きました。2015年に気候変動枠組条約に基づく「パリ協定」が採択され、温暖化を2℃未満にすること、今世紀の後半にはNetZeroEmissionを達成することが合意されましたが、日本の企業で真剣に取り組んでいるところはまだ少なく、諸外国と比べると遅れをとっていると言わざるを得ない状況とのことです。300年以上続いた「化石燃料」から離脱することは容易ではなく、実現するためのキーワードは「我々は変わる」ということ。今後、明るい未来を描くには何をすべきかを考えさせられる非常に興味深いご講演でした。 [講演2]「自己修復ガラス」 硬い材料は壊れると二度と元には戻らないという常識を覆す樹脂性ガラスの発見とメカニズムについてご講演頂きました。開発されたガラスはポリエーテルチオ尿素と呼ばれる高分子材料からなっており、生体分子の表面に強く接着する「分子糊」と名付けた高分子物質を合成するための中間体として設計されたものとのことです。固く、さらさらした手触りの表面をしていながら破断面をお互いに押し付けることでそれらが融合し、破損前と同等の機械的強度まで回復することを発見されたとのことです。高温にすることなく固い材料が自己修復できるようになったという世界で初めての開発であり、今後の社会への貢献が期待されるご説明でした。 [講演3]「事業を強くする研究開発活動」 企業競争力強化のための知的財産戦略についてご講演頂きました。まず初めに特許は排他権であり独占権・実施権ではないということを認識し知財戦略を組み込むことが必要とのことでした。また競争力を高めるためには知財の本質(排他権)を認識し、事業化前に事業(技術・知財)の「強み」・「弱み」を把握した上で、「弱み」を消し「強み」を増すという戦略が重要になります。研究も開発も事業を前提に事業を強くすることが大切であり、そのためには事業をよく知り、よく理解し、より実践的に活動することが求められます。知財活動の本質に目を向けた非常に参考となる内容でした。 今回、「ガラスのビジネス戦略」というテーマでご講演頂きました。色々な側面からの貴重な講演を拝聴でき、大変勉強になる会となりました。また、本会を良い交流の場としてご活用いただきましたことに感謝いたします。今後ともNGF若手懇談会をよろしくお願い致します。 以上 |
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