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133回講演会報告について 第133回若手懇談会開催報告
[講演1]「INTERGLADの特徴と機能」 ニューガラスフォーラムにより開発が進められている国際ガラスデータベースINTERGLADの機能と特徴についてご講演いただきました。2019年1月時点での収録データ数は約34万件であり、文献・データ検索や特許調査、ガラス特性解析などの機能が集約されているとのことです。また、アップデートされたver.8では重回帰分析による組成設計の自動計算機能が追加され、最小二乗法による最適化計算が可能となったことで、要求特性を満たすガラス組成をより短時間で設計することが可能になった点についてご説明いただきました。ガラス技術者に欠かせないソフトウェアであるINTERGLADのさらなる機能追加が待ち遠しくなるご講演でした。 [講演2]「ガラス基板上への窒化物系LED低温作製技術」 次世代ディスプレイであるマイクロLEDに適用可能な窒化物LEDを低温で作製可能な技術についてご講演いただきました。これまで用いられてきたMOCVD(有機金属気相成長法)は摂氏1000度を超える高温プロセスなため、サファイヤ基板が必須となっており、コストが高いという課題がありました。この課題に対し、PSD(Pulsed sputtering deposition)という提案手法を用いることで、これまで用いられてきたMOCVDに比べて約500度の低温化が可能であり、ガラス基板上へのLED作製が可能となった点についてご説明いただきました。ガラスフィルム上への連続成膜プロセスが実現できれば、より低コストでの生産が可能になるとのことです。また、RGB LEDの作製だけにとどまらず、HEMT、MISFETの作製にも適用可能である点について言及いただき、今後の展開が楽しみなご講演でした。 [講演3]「全固体電池における非晶質材料の役割」 全固体リチウム二次電池材料の基礎と現状についてご講演いただきました。はじめに全固体電池は安全に高温動作が可能であり、密着した状態で積層できることから、自動車等の大型電池の省スペース化に大きく寄与できるという点、大きく分けて硫化物系と酸化物系の2種類に分類される点についてご説明いただきました。次に、実用的な全固体電池実現に向けた課題として、固体-固体界面の構築によるイオン伝導経路の形成が重要になるとご説明いただきました。この課題に対し、固体電解質の形状制御、電極活性物質コートを行うことで粒界抵抗を低減することが可能であり、導電率の高い全固体電池が実現できるとのことです。電池という身近に多く存在する製品に関わる技術であり、非常に興味深いご講演でした。 今回、「ガラスの新規用途」というテーマでご講演頂きました。色々な側面からの貴重な講演を拝聴でき、大変勉強になる会となりました。また、本会を良い交流の場としてご活用いただきましたことに感謝いたします。今後ともNGF若手懇談会をよろしくお願い致します。 以上 |
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