若手懇談会第74回若手懇談会始末記


第74回若手懇談会は以下の内容で行われました。

日時:2004年1月26日(金)

場所:(社)ニューガラスフォーラム 田中田村町ビル8階 A会議室


講演:
 (1)「磁場によるガラス融液の攪拌とその挙動」
    (株)オハラ  南川 弘行 先生
 (2)「ガラスの磁気的性質」
    京都工芸繊維大学  田中 勝久 先生
 (3)「電磁波吸収発泡ガラスパネルの開発」
    東洋ガラス(株)  吉田 光男 先生

 南川先生の講演  田中先生の講演  吉田先生の講演  懇親会風景

 参加者:22名(事務局3名除く)

内容:
 本年最初の若手懇談会は22名の方に参加頂き、3件の講演および懇親会を開催しました。初めに、(株)オハラ 南川 弘行 先生から、「磁場によるガラス融液の攪拌とその挙動」と題して講演頂きました。酸化物単結晶の育成において磁場印加により対流の増速現象が起こることが知られています。この原理を応用し代表的なガラスネットワークフォーマー(SiO2、GeO2、B2O3、P2O5)成分を含む光学ガラスとBi2O3‐PbO‐Ga2O3系ガラス融液の攪拌挙動について紹介して頂きました。製造現場でのガラス融液攪拌の各種問題点を解決する新しい技術として期待されます。
 
 引続き、京都工芸繊維大学 田中 勝久 先生から、「ガラスの磁気的性質」と題して講演頂きました。各種材料が磁気的特性を持つ基礎的な原理と酸化物、フッ化物ガラスの磁気的特性の解説をして頂きました。また局所的にクラスターや微結晶を導入することによりガラスに強磁性的挙動を持たせたり、優れた透光性を利用した磁気光学材料などの機能性ガラスへの応用について紹介頂きました。今後、更なる高機能性ガラス材料への応用が期待されます。
 
 最後に、東洋ガラス(株) 吉田 光男 先生より、「電磁波吸収発泡ガラスパネルの開発」と題して講演頂きました。高速道路ETCなどの反射波吸収体として使用される、発泡ガラスを母材としたガラスパネルの原理、特徴、開発経緯とこれら技術を応用した防音パネル、内装材などの開発動向について紹介して頂きました。このガラスパネルはガラスカレットを使用したリサイクル製品であり、不燃性、経時変化が少ないなどの優れた性能を持った材料です。環境負荷の少ない製品として多方面での利用が期待されます。

 その後の懇親会でも、活発な討議と親睦がなされ、大変充実した懇談会となりました。
 
 本年も見学会を含め、あと3回の懇談会を計画しております。昨年以上に充実した企画により有意義な懇談会となるよう盛り上げて参りますので、奮ってご参加下さい。


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