若手懇談会第75回若手懇談会始末記


第75回若手懇談会は以下の内容で行われました。

日時:2004年4月6日(金)

場所:(社)ニューガラスフォーラム 田中田村町ビル8階 A・B・C会議室


講演:
 (1)「ガラス工業用高品位耐火物」
    長崎東芝セラミック(株)  寺西 久広 先生
 (2)「ガラス融液中に発生する欠陥(泡)」
    日本電気硝子(株)  加藤 光夫 先生
 (3)「ガラス高温融体のラマン分光分析と融体構造」
    東京工業大学  矢野 哲司 先生

 寺西先生の講演  矢野先生の講演

 参加者:35名(事務局3名除く)

内容:
 今回の若手懇談会は35名の方に参加いただき、3件の講演および懇親会を開催いたしました。ガラス関係の方になじみが深く興味のもたれているガラス融液・溶解が今回のテーマでありました。そのため参加者はいつもより多く、大変な盛況となりました。
 初めに、長崎東芝セラミック(株)寺西久広先生より「ガラス工業用高品位耐火物」と題して講演いただきました。製品を例にあげて、ガラス工業に使用されている耐火物とその特徴について紹介いただきました。また、ガラス製造時の泡の発生を抑えるために、耐火物製造工程で行なわれている対策についてもお話いただきました。今後ますます品位の高いガラスが要求される中で、製造関係の参加者にとって"足場"である耐火物の重要性を再認識させるものでした。
 引続き、日本電気硝子(株)加藤光夫先生より「ガラス融液中に発生する欠陥(泡)」と題して講演いただきました。泡の発生原因が完結にまとめられ、泡の内部ガスの組成が発生原因を推定する上で大変有益なことを示されました。きめ細かい泡分析診断のために、製造担当者(現象の理解)・ガス分析者(測定の理解)・シミュレーション技術者(理論の理解)の3者によるコミュニケーションの重要性を主張されました。
 最後に、東京工業大学の矢野哲司先生より「ガラス高温融体のラマン分光分析と融体構造」について講演いただきました。これまであまり分かっていないガラス融体の構造をラマン分光分析により明らかにしておられます。アルカリシリケートの融体の構造は温度によって変化し、その温度依存性が結晶化や分相のし易さに影響していることを示されました。常温のガラス融液での構造は異なる場合があり、ガラス特性に影響を与えていることが示されました。何らかの方法で高温の構造を常温まで維持することができれば、同じ組成でも全く異なる特性が発現することが考えられ応用が期待されます。
 講演会の後は恒例の懇親会が開かれ、お酒も入ってさらに活発な議論が交わされました。次回の見学会(京大)でも有意義な会となることが期待されます。



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