| 若手懇談会>第79回例会 第79回講演会報告について
 
 
 
 
第79回若手懇談会開催報告
 【日時】2005年4月20日(水)14時〜17時
 【場所】(社)ニューガラスフォーラム 田中田村町ビル8階A・B・C会議室
 【参加人数】27名(講師3名、事務局は除く)
 (懇親会参加者:24名+講師3名+事務局1名)
 
 
【講演内容】今回の若手懇談会は27名の方に参加いただき、3件の講演および懇親会を開催いたしました。当日早朝に九州地方で地震があり交通機関への影響が心配されましたが九州大学の藤野先生も無事到着され、予定通り開催することが出来ました。
 
 
 
 
[講演1]「ガラスびんの製造に関して」日本山村硝子(株) 銭谷 他計司 先生
 
 
  ガラスびんが出来るまでの全般的な工程の流れの説明から、業界の動向についても説明いただきました。特にびんの軽量化や省エネは業界が取り組んでいる重要な課題であり、細口びんにおけるプレスアンドブロー方式による成形方法やカレット使用率UPなど、課題達成の為の手法についての説明は興味を引かれる内容でした。今後市場で見かけるびんに対しても興味が湧いてきそうです。 
 
 [講演2]「酸化物分散強化材料と加工技術」
 フルヤ金属(株) 丸子 智弘 先生
 
 
  FPD、光学向けガラスで使用される高融点、高粘性ガラスに対応するために要求される白金の性能について各種技術の紹介、説明を頂きました。白金の高温強度を改善するためには酸化物強化白金が最適ですが、酸化物強化白金の性質上の問題点を解決するための加工技術、接合技術、応力解析など工夫検討されている内容はとても面白いものでした。ガラス業界から出る様々な要求に対して期待できそうです。 
 
 
参考図書:
丸山公一、中嶋英治 共著 "高温強度の材料科学"(内田老鶴圃)
岡田辰三、後藤良亮 "白金族と工業的利用"(産業図書株式会社)
 [講演3]「機能性ガラス材料開発のための高温融体物性」
 九州大学  藤野 茂 先生
 
 
  高温融体における物性として密度、表面張力、粘度は様々な用途において重要な物性値であり、そのそれぞれの物性値の測定方法や選択理由などの初歩的な内容から、酸化物ガラス融体の実測値を基にしたファイバーの成形性、ガラス/セラミック基板の接合、Pbフリーガラス材料設計指針まで幅広く説明いただき、判りやすく且つ深い内容の講演でした。 
 
 
参考図書:
高温領域におけるガラス表面張力の評価技術、森永健次、藤野茂、ニューガラスVol17,No.1(2002)pp.3-10
Density,surface tension,and viscosity of PbO-B2O3-SiO2 glass melts, S.Fujino,C.Hwang and K.Morinaga, Journal of the American Ceramic Society, Vol.87,No.1,(2004)pp.10-16
ファイバー化のためのガラスの広域粘度測定、藤野茂、井尻英幸、清水史幸、森永健次、日本金属学会誌、第62巻(1998)pp.106-110
Density of Bi2O3-B2O3 glass melts, C.Hwang, S.Fujino and K.Morinaga, Journal of the American Ceramic Society, 87[9](2004)1677-1682
Surface tension of PbO-B2O3 and Bi2O3-B2O3 glass melts, S.Fujino ,C.Hwang and K.Morinaga,Journal of Materials Science(2005) in Printing.
 
 
  講演会の後には恒例の懇親会が開かれ、酒も入り舌も滑らかになりところによっては講演会よりも活発な(?)議論がされているようでした。 
 懇談会では「講師の方への事前質問」「講演途中の質問」等の試みも行なっています。次回も更に活発で有意義な会となるよう、皆様のご参加をお待ちしております。
 
 
以上
 2005年5月16日
 若手懇談会 副会長
 辻 良太
 
 
 
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