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Asahi Glass Co., Ltd Nippon Sheet Glass HOYA Glass Nippon Electric Glass

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最新号目次


Serial No.137 cover photo NEW GLASS
Vol.37 No.3 2022
(Serial No.137)
表 紙:「 部分遮光ガラス」透明なガラスを部分的に可視光不透過性にする技術です。 (テストサンプル ※ 50弌.汽ぅ) 可視光透過部と遮光部には可視光透過率以外は同質なガラスのため、界面反射などを発生させる界面自体がありません。遮光部の輪郭はわずかにグラデーションになっているため回折現象も抑制されます。[写真提供:HOYA 株式会社]


巻頭言

素材産業を取り巻く政策的課題とニューガラスフォーラムへの期待 ------- p.1 [試し読み]

本年7月1日に経済産業省素材産業課革新素材室長に着任いたしました金井伸輔と申します。読者の皆様には,経済産業行政への御理解・御協力に厚く御礼申し上げます。本年は「国際ガラス年」です。ガラスは透明で安定性に優れるといった特徴を持つ素材として,科学と文明の発展を支えてきました。同時に,光をつかさどる美しさを有するガラスは,文化・芸術,さらに建築や日用品を通じ,人々の生活を豊かなものにしてきました。私たちは今,世界の政治状況・経済状況が大きく変わる中,人々の生活を豊かなものとしつつ,感染症,少子高齢化,地球環境などの問題にも対応する必要に迫られています。この状況を乗り切るには,ガラスをはじめ,素材産業に関わる皆さまの力が必要不可欠です。

経済産業省製造産業局素材産業課革新素材室長 金井 伸輔


特集「国際ガラス年IYOG2022特集〜IYOG 記念講演会より〜」

1)社会に貢献するガラス ------- p.3 [試し読み]

古くからある寓話・童話の中,日常生活の中で語られる話の中,耳にする曲の歌詞の中にも,「ガラスの」で形容される言葉が数多く出てくる。これは,輝き,透明性,繊細さ,もろさ等の情緒的なことを表す時に「ガラス」という言葉がぴったりだからだと考えられる。それぐらいガラスは人の生活の一部になっているとも言える。諸説あるが,ガラスは紀元前3000 年に作られた最古の「材料」であると言われている。それ以来5000年にわたりガラスは,道具として,食器として,装飾品として,そして生活や産業を支える材料として人類とともに時を刻んできた。ガラスを起点としたエポックメーキングな出来事を紹介したい。

AGC(株) 杉本 直樹

2)金属―有機構造体(MOF)ガラスの最近の進展 ------- p.6 [試し読み]

金属イオンが分子性の配位子によって連結されたネットワーク構造を広く配位高分子(Coordination Polymer),また有機配位子で骨格が作られる次元性の高い構造を金属−有機構造体(MOF:Metal-Organic Framework)と呼ぶ。従来から多孔性物質として検討されてきたが,近年では伝導性・光学特性・生体適合性など,多彩な特性が見出されている1 。これらは長く結晶相が研究対象であったが,2015年ごろからガラス相の存在が示され,新しいハイブリッドガラスとして報告例が増えている。

京都大学 堀毛 悟史

3)ガラスの新しい可能性 〜超薄板ガラス〜 ------- p.11 [試し読み]

ガラスは透明性、耐熱性、ガスバリア性、寸法安定性などの、樹脂や金属にはない、優れた特性を有する。超薄板ガラスは、ガラスの厚さを200μm 以下に薄くすることで、上述のガラス本来の特性を有しつつ、樹脂フィルムのようにしなやかに曲がるフレキシブル性、軽量性などの新たな特性を併せ持ち、全く新しい用途や素材の実現につながる材料である。また、超薄板ガラスはロール状に巻き取ることができ、いわゆるロール・ツー・ロール・プロセスにも適用できる。更に、耐屈曲性を追求した、化学強化できるタイプの超薄板ガラスは、折り畳みできるフォルダブルデバイス用のカバーガラスとして注目されている。

日本電気硝子(株) 森 弘樹

4)ガラスを用いた酸化物系固体電解質の開発 ------- p.15 [試し読み]

全固体二次電池は,安全で高容量な二次電池として期待されている。全固体二次電池は,プロセス(成膜か,粉体焼結か),電解質材質(酸化物系,硫化物系,その他)および活物質種類(Li 金属負極,オリビン系高電位正極,その他)など,それぞれの方向から検討がされており,オハラでは全固体二次電池向け酸化物系固体電解質の開発を行っている。本稿では全固体二次電池の簡単な紹介と,ガラスを用いた全固体二次電池向けの酸化物系固体電解質の開発について紹介する。

(株)オハラ 小笠 和仁

5)ナノ多孔質ガラスデバイスの開発と早期がん診断への応用 ------- p.19 [試し読み]

がんの罹患,再発,転移などに対する早期診断・発見は,がんの奏効率の上昇に極めて大きな役割を果たしているのは言うまでもない。しかし,がんの早期診断・発見を広く一般的に実現していくためには,被験者(患者)の生体から検体(組織切片など)を採取して行う病理組織学的検査法である生検(バイオプシー)に代わり,痛みをほとんど伴わない非侵襲な方法である液体生検技術の発展・進展が重要になる。そして,近年,リキッドバイオプシーの検査対象としてあらゆる体液中に含まれる細胞外小胞に注目が集まっている。

名古屋大学 湯川 博

6)希土類イオン含有ガラスの蛍光 ------- p.23 [試し読み]

可視蛍光活性物質である希土類イオンを含有するガラスは,広い範囲の紫外線励起により蛍光を示す。赤緑青の蛍光を示すガラスとして,赤色(R) はEu3+(3価ユウロピウム),緑色(G)はTb3+(3価テルビウム),青色(B) はEu2+(2価ユウロピウム) をそれぞれ含有するガラスが知られている。希土類イオンの種類とイオン価数の違いによって励起・蛍光特性が異なっている。それぞれの蛍光に関係する希土類イオンのエネルギー準位を図に示す。典型的な3価希土類イオンの蛍光は,Tb3+ に見られるように,f電子の持つエネルギー準位間の電子遷移によって引き起こされる。

(株)住田光学ガラス 沢登 成人

7)プリンテッドエレクトロニクス向け低温焼結塗布型シリカ ------- p.26 [試し読み]

3次元集積電子回路を目指した多層配線基板は,フォトリソグラフィーの手法を用いて,エッチングやめっき等の方法で,積層により複雑な配線構造を形成することができる。しかし,サブトラクティブ型の製造技術であるフォトリソグラフィーは,パターニングの過程で多くの材料が浪費される。また,高温プロセスも随所で要求されるため,プラスチック基板のような熱に弱い材料に対してダメージを与えやすいという問題がある。フォトリソグラフィーのような従来の配線製造技術と比較すると,アディティブ型の加工技術であるプリンテッドエレクトロニクスは,スケールアップが容易で,様々なデバイスに対応でき,製造コストが低いという利点がある。

(国研)物質・材料研究機構 孫 晴晴 他1名

8)可視光向け平面光波回路技術とそれを用いた超小型RGB光源向け波長合波回路 ------- p.33 [試し読み]

光通信で培われた平面光波回路(PLC: Planar Lightwave Circuit)技術の可視光領域への適用が始まっている。本記事では,その背景と応用としてRGB レーザ光源用光合波回路を紹介する。光通信において通信媒体として広帯域な光ファイバを使いこなすためにレーザの特性を活かして波長多重伝送技術や光の多値伝送技術が発展した。光の周波数は通信波長(=1.55μm)で約200THz と非常に高く,キャリア周波数領域で信号処理するためには,光の干渉が用いられる。光通信において光の干渉を利用するためのデバイス技術の一つに,光ファイバの作製技術を発展させて,Si 基板上に堆積した石英系のガラス膜を微細加工して光導波路構造を実現するPLC技術がある。

日本電信電話(株) 橋本 俊和

9)ガラス3Dプリンティングの進展 ------- p.36 [試し読み]

高精細な3D プリンティングである光造形法を用いて,透明なガラス3D 構造体を作製する研究が注目されている。特に,我々が世界で初めて実証した2光子マイクロ光造形法を用いれば,約100nm の加工分解能で微細な3D構造体を作製できるため,他の3Dプリンティングに比べて圧倒的に高い加工分解能と加工精度でガラス構造体を作製できる。このため,フォトニクスや流体工学,化学分析など幅広い分野への応用が期待されている。

横浜国立大学大学院 丸尾 昭二


ニューガラス大学院講座

ガラスの組成と物性の相関−実用ガラスの組成はどのように決められているのか−(その1 ) ------- p.40 [試し読み]

本稿では,新しくスタートする「ニューガラス大学院講座」の第一弾として,「ガラスの組成と物性の相関」と題し,実用ガラスに絞ってガラスの組成とその物性について,その開発・実用化の歴史的経緯を含め3回に渡って解説する。また,合せてその組成が物性以外の要因を含めどのように決められているか,そのガラスの特徴的な物性がその組成によるどのような構造によって発現するかについても,例を挙げて解説する。

日本板硝子(株) 長嶋 廉仁 他1名


ニューガラス関連学会

1)日本セラミックス協会 第35回秋季シンポジウム参加報告 ------- p.45 [試し読み]

2022年9月14日(水)から16日(金)までの3日間,日本セラミックス協会第35回秋季シンポジウムが開催された。日本セラミックス協会はセラミックスに関する科学・技術の情報交流を目的として春には年会,秋にはシンポジウムを開催している。今回はその35回目となる秋季シンポジウムが徳島大学で開催された。会場となった徳島大学常三島キャンパスは最寄りのJR 徳島駅から約20分ほど歩いた場所にあり,会場にたどり着くまでには緑の豊かな徳島中央公園や流れの穏やかな助任川がある。キャンパスの周辺は程よい自然に囲まれており,期間中は清々しい秋晴れの陽気に包まれていたこともあって非常にのどかな雰囲気の中での開催となった。

東京理科大学 佐藤 柊哉

2)応用物理学会秋季学術講演会2022年国際ガラス年IYOG記念シンポジウム(T 5)参加報告 ------- p.48 [試し読み]

2022年は国連総会で採択された国際ガラス年(International Year of Glasses (IYOG))であり,国内外で国際ガラス年を記念するシンポジウムが開催されている。応用物理学会では春季学術講演会の「非晶質・微結晶」セッションで記念講演が開催され,それを受けて,秋季学術講演会2022AutumnではT5シンポジウムとして初日の9 月20 日?に「最先端で活躍するガラスとガラス状態〜国際ガラス年IYOG 記念シンポジウム〜」が企画・開催された。

名古屋工業大学大学院 早川 知克

3)「第83回応用物理学会秋季学術講演会 ガラス系イオン伝導体の最前線〜2022年国際ガラス年IYOG 記念シンポジウム〜」参加報告 ------- p.51 [試し読み]

2022年9月21日に東北大学を会場として第83回応用物理学会秋季学術講演会において表題シンポジウムが開催された。近年,リチウムイオン電池に代わる次世代電池として全固体電池が注目されている。また中温域で動作するプロトン伝導体は,いわゆる廃熱を利用した燃料電池への展開が期待されている。これらの発電,蓄電技術はカーボンニュートラル社会の実現に必須で,その中でも固体電解質は重要な材料であり,全固体電池では固液界面に匹敵する良好な固体同士の界面形成が求められる。ガラスを含むイオン伝導性の非晶質材料はイオン伝導性だけでなく成形性にも優れており,その重要性が増している。

長岡技術科学大学 本間 剛


関連団体

1)ニューガラスフォーラム第12回定時総会記念講演会傍聴記「進化するガラス」〜研究への想い、そして研究・人・コミュニティを大きく育てる〜ガラスのナノテクノロジーを中心に 京都大学名誉教授 平尾一之先生 ------- p.54 [試し読み]

2022年6月1日に開催されたニューガラスフォーラム第12回定時総会の終了後,京都大学名誉教授の平尾一之先生による講演会が開催された。平尾先生は言わずと知れたガラス界の重鎮で,2012年には紫綬褒章を受賞されている。今なお京都大学ナノテクノロジーハブ拠点特任教授,京都市成長産業創造センター長,京都市イノベーションセンター長を兼任され,精力的に活躍されている。今回は「進化するガラス」という題目での講演であったが,先生の学生時代からの研究の経緯を交えながら,ひとつの学術分野といっていいほどにまで確立された「ナノテクノロジー」や「フェムト秒レーザーを用いた新分野開拓」の内容と成果を拝聴できた。

セントラル硝子(株) 高松 敦

2)ガラス研究振興プログラム 令和4年度(第1回)研究振興助成金授与式報告 ------- p.58 [試し読み]

2022年6月1日 ガラス研究振興プログラムの研究助成金授与式が,ニューガラスフォーラム(NGF)定時総会・理事会に引き続いて日本ガラス工業センターにてWeb とのハイブリッド形式で開催されました。直接の参加者は事務局メンバーを含めて19名,Web参加者は28名で,合計47名の方々にご参加いただきました。ガラス研究振興プログラムはガラス産業連合会(GIC)とNGF 共催で,昨秋より活動を開始しましたので,今回が初めての研究助成金授与式となります。

(一社)ニューガラスフォーラム 事務局


私の研究ヒストリー

大学での研究―その2 ------- p.60 [試し読み]

無機材質研究所から,東京大学金属材料工学科の教授として移籍することになった。48歳のときである。当時は,大学も変革の時期であり,金属分野はセラミックスなどに研究教育分野を広げる時期であった。同学科にはセラミックスは先に新しく講座が開設されて新任の教授が就任していた。丁度,スラグを研究していた教授が退任されたので,この講座はニューガラス分野に舵を切ることになり就任してガラスの講座を開設した。当初の講座の体制は,牧島,助手2名,技官1名,卒論学生3名であり,新任の助手を採用する必要があり,森田一樹さんをむかえたが,ガラス講座の担い手となることを期待し,UCLAのマッケンジー教授にお願いして,ガラスの研究生活を体験してもらった。

東京大学名誉教授北陸先端科学技術大学院大学名誉教授 牧島 亮男


コラム

青少年のための科学の祭典 大阪大会サイエンス・フェスタ参加記 ------- p.65 [試し読み]

8月20日(土),21日(日)大阪府阿倍野区の大谷中学校・高等学校にて,青少年のための科学の祭典 大阪大会 サイエンス・フェスタが開催されました。今年は国際ガラス年であり,ガラス産業連合会(GIC)内に国際ガラス年支援ワーキンググループ(WG)が設置されておりますが,GIC環境広報部会とともに「不思議なガラス大集合」をテーマとして,19種の展示品を出展いたしました。このWG にはニューガラスフォーラムから委員1名および事務局1名が加わっており,特にこのイベントについては企画の段階から参画して準備を進めて参りました。WG 事務局として,8月19日の準備作業および20日のイベントに参加しましたので,GIC 展示品および展示会の様子などについてご紹介いたします。

(一社)ニューガラスフォーラム 松野 好洋



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