事業報告及び計画
2019年度事業報告書  2020年度事業計画

2019年度事業報告書
2019年4月1日より2020年3月31日まで
[T]事業の概要

2019年度は、グローバルな政治情勢や経済情勢に不安定な要素があるものの、日本経済は緩やかながらも概ね順調な成長を維持してきた。しかしながら、2020年年始早々から顕著になった新型コロナウイルス感染拡大にともない、経済活動においてもその不透明さが急速に拡大している。一方、ガラス産業界では、ガラス分野の将来を支える基礎研究や(若手)研究人材の減少傾向が継続しているという現状がある。この課題解決を図るべく、産・官・学から構成される検討会を立ち上げ、本格的な活動を始めるにあたっての準備活動を開始した。また、2020年にはガラスに関わる国際会議も予定されており、加えて、2022年には「国際ガラス年(IYG2022)」が提起されていることから、ガラス産業連合会やセラミックス協会(ガラス部会)との連携を密に、ニューガラスフォーラムでも取組みを開始するとともに、引き続き、「会員の期待に応える活動」を基軸として活動を進めてきた。
 ガラス科学技術研究会ならびに評価技術研究会と両者の合同研究会は、昨年同様に各2回開催、ニューガラスセミナーは、本年度は3回の開催を計画したが、新型コロナウイルス感染抑制のため、3月に予定した合同研究会とニューガラスセミナーは中止(延期)とした。ニューガラス大学院は、昨年度は特別講座として開催した「ガラス溶解のシミュレーション」を応用講座に組み込む等の企画を新たに行い、最近3年間と同様に期待人数を上回る参加があった。国際ガラスデータベース(INTERGLAD)は、引き続き、登録データ数の向上、操作性の向上、ネット環境への対応等を行った。学会を利用したPR活動も行った結果、契約数は微増している。その他の活動については、概ね計画通りに推移した。

 以下、定款の箇条に従い、2019年度の事業報告を述べる

1. ニューガラスに関する産業及び技術開発動向等の情報の収集及び提供 (定款 第4条第1項第1号関係)

 ニューガラスフォーラムの活動(研究会、セミナー、講演会)や外部学会等で得た情報をホームページや機関誌“NEW GLASS”を通じて、会員へ情報発信した。ニューガラスフォーラムのホームページについては、内容ならびに画面構成を改訂し、各活動へのリンクの改善などを行って、より使いやすい形に変更した。

2.ニューガラスの産業及び技術開発等に関する調査  (定款 第4条第1項第2号関係)

 引き続き、ガラス産業技術戦略2030年に記載されたロードマップの見直しの継続を図った。加えて、ガラス産業界が必要とする将来技術やあるべき姿について、関係者の意見を踏まえて検証を継続した。

3.ニューガラスに関する研究開発 (定款 第4条第1項第3号関係)

三次元光デバイス・ナノガラス研究事業     
 2018年度に引き続き、NEDO国家プロジェクト「ナノガラス技術」(2001〜2005)と「三次元光デバイス高効率製造技術」(2006〜2010)で得た成果、ならびに、これらに関連した新規技術の究明およびその普及活動を継続した。
 超短パルスレーザとガラスホログラムによる三次元一括加工技術は、複数の企業での実際の活用を踏まえ、その普及活動は一定の成果が出たものと考えて、同分野での活動は大幅に縮小した。
 2019年度は、主にガラスの強化法について、複数の企業との共同開発を通して技術・ノウハウの提供等を進め、プロジェクトで得られた技術等の普及を図りつつ、その原理の学問的解明を進めると同時に特許化の検討をおこなった。特に、上記の強化技術に加えて、製造ラインの流れ作業速度に対応できる高速強度評価が可能な非破壊強度検査法を提案し、その原理の詳細を検討し、性能向上を進めている。
 また、超最先端の分野で使用される本強化ガラスの具体的な製品への適用実験を会員会社数社と進めている。

4.ニューガラスに関する講習会、講演会、セミナー及び研究会等の開催 (定款 第4条第1項第4号関係)

(1)研究会の開催  
 2019年度は昨年度に引き続き、ガラス科学技術研究会および評価技術研究会をそれぞれ2回、また両者の合同研究会2回の開催を計画したが、新型コロナウイルスの感染拡大の抑制の観点から、3月に予定していた合同研究会の開催は中止(延期)とした。研究会の平均参加者数は22.4名/回(2018年度は28.8名/回)で昨年度実績から減少した。第1回開催の合同研究会の参加者数の減少および第2回合同研究会の開催中止の影響と考えられる。2018年度は合同研究会を2回(2017年度は1回)、各研究会をそれぞれ2回(2017年度は各3回)の合計6回の研究会を開催した。

@ガラス科学技術および評価技術合同研究会
 下記のテーマにて10月に第1回合同研究会を開催した。参加者は30名であり、単独開催の研究会よりは多いものの、2018年度の合同研究会参加者数(56名、全2回の平均)よりも大幅な減少となった。第2回合同研究会は以下に示すテーマでの開催を予定していたが、新型コロナウイルス感染拡大抑制のため中止(延期)とした。
     第1回合同研究会:ガラスの微細加工と精密研磨 (2019.10.08)30名(於:NGF)
     第2回合同研究会:中止(延期)ガラスと色、その応用とデザイン
Aガラス科学技術研究会(主査:九州大学 藤野 茂 教授)
 ニューガラス産業の基盤である「ガラス基礎技術の発展と普及」を目指し、大学・公的研究機関・企業におけるガラス技術の新たな展開や顕著な進展に関する話題を取り上げて、7月と12月に開催した。開催テーマおよび参加者数は以下の通りで、昨年度の平均参加者数(17名/回)に対して増加した。
     第1回研究会:表面コーティング・複合化による高機能化 (2019.07.16)23名(於:NGF)
     第2回研究会:新材料の接合・剥離のメカニズムと最新技術 (2019.12.17)27名(於:NGF)
B評価技術研究会(主査:京都工芸繊維大学 角野 公平 教授)
 ニューガラスを中心に「ガラス製品の開発支援技術の強化と普及」に向け、ガラスの商品化において求められる各種評価技術について、企業における現状と課題、それらに関連する大学・公的研究機関の研究、類似材料の評価例などを話題として取り上げて、7月と1月に開催した。7月開催の第1回研究会では、産業技術総合研究所 計量標準総合センターの見学会および同センター研究者による講演会を実施した。参加者数は16名(全2回の平均)であり、昨年度(14名)よりもわずかに増加した。
     第1回研究会:産業技術総合研究所 計量標準総合センター見学会/講演会 (2019.07.19)19名(於:産総研等)
     第2回研究会:高度表面分析技術とその応用 (2020.01.21)13名(於:NGF))

(2)セミナーの開催(主査:滋賀大学 徳田 陽明 教授)     
 ニューガラス製品の研究開発に携わる研究者・技術者を対象に、ガラス技術及びニューガラス応用製品に関する話題性の高い最新技術動向等をタイムリーに紹介するセミナーについて、年間3回の開催を計画した。ただし、新型コロナウイルスの感染拡大抑制の観点から、3月に予定していたニューガラスセミナーの開催は中止(延期)とした。第130回セミナーは、ガラス構造に関わるテーマを取り上げたこともあって、ニューガラスセミナーとしては、2013年以来の参加者数50名超となった。その結果、年間平均参加者数は32名となり、昨年度(19名)よりも大きく増加した。
     第129回セミナー:世界を彩る色利用技術 (2019.07.02)10名(於:NGF)
     第130回セミナー:ガラス転移・ガラス構造物性の理解に対する理論的・実験的アプローチ (2019.11.20)53名(於:NGF)
     第131回セミナー:中止(延期)フッ化物利用・複合化によるガラスの高機能化

(3)講座の開催  
 ニューガラス大学院(委員長:愛媛大学 武部 博倫 教授)    
 ニューガラスの研究・開発・製造・応用に携わる人材の育成に寄与するため、大学教員や企業の研究者・技術者等の各分野の一流講師によるガラスの基礎・応用技術に関する講座を今年度も継続して開催した。10月10〜11日に基礎課程8テーマ、10月24〜25日に応用課程9テーマとし、昨年度は特別講座としたガラス溶融シミュレーション技術については、今年度は応用課程に組み込んで実施した。ここ3年間と同様、基礎課程では材料科学からガラスの諸物性を、応用課程では製造フローに沿っての製造技術を中心とした構成とし、またより分かりやすい講義内容となるような企画を行った結果、受講者は合計83名で、4年連続して期待人数(70名)を上回る参加があった。本年は、学生と入社3年未満の若手研究者が増加したのが特徴で、受講後のアンケートにおいては、昨年以上のご好評をいただいた。

(4)若手懇談会の開催(会長:住友電気工業梶@早川 正敏)       
 2019年度は「ガラスと次世代の技術」を主テーマとし、年間4回の講演会と年間5回の役員会を開催し、講演会では1回あたり3件の講演を実施した。参加者数平均は19名/回(2018年度は18名/回)でほぼ昨年度と同じであった。今年度は、参加募集をニューガラス会員全体へ拡大して行ったが、結果として、その効果は限定的であった。第135回は例年通り見学会を実施し、TOTO(株)滋賀工場(滋賀県湖南市)を訪問し、衛生陶器の製造ラインを見学した。各回講演後の懇親会では、本会の目的の1つでもある、講師、参加者間との意見交換を行い、人的交流を深めることができた。
     第134回若手懇談会:ガラスの構造と用途(2019.05.17)20名(於:NGF)
     第135回若手懇談会:生活を支えるセラミックス(2019.07.10)12名(於:TOTO滋賀工場)
     第136回若手懇談会:医療を支えるガラス(2019.10.15)19名(於:NGF)
     第137回若手懇談会:情報社会とガラス(2020.02.17)23名(於:NGF)

(5)見学会の開催       
 2019年度も若手懇談会見学会と兼ねて、2019年7月10日にTOTO(株)滋賀工場(滋賀県湖南市)を訪問した。若手懇談会会員以外の参加者数は会員と事務局を合わせて4名であった。なお、会員企業のガラス関連施設を訪問する見学会開催検討を行ったが、会員からの希望はあるものの、いくつかの制約事項があり実施には至らなかった。

5.ニューガラスに関連するデータベースの構築、維持及びその提供  (定款 第4条第1項第5号関係)

 国際ガラスデータベース”INTERGLAD”(委員長:東京大学 井上 博之 教授)
 本年もデータベースのデータの収録充実に注力し、年間10,000件以上の新規登録を行った結果、特性・構造データの総計で、収録ガラス種は36万件を超えた。本年度は開発項目として、セキュリティー強化のための通信暗号化を行い、また、Java等に制約されないINTRERGLAD Lite(Web版)を完成して正式に運用を開始した。INTERGLAD Liteは、ファイルの出力ができないなどの機能面の制約はあるが、スマートフォンからでも検索が可能などの利便性を有しており、利用者の状況に応じて、スタンダード版との使い分けが進むことを期待している。
 普及のためのPR活動では、本年度もINTERGLADの活用講習会基本・応用コースを各1回(6月と11月)開催した。また、11月に神戸で開かれた非結晶材料の構造に関する国際学会NCM 14では、ポスター展示によるPR活動を行った。INTERGLADの契約数は国内と国外の合計で87件(NGF会員18件、非会員42件、大学27件)となり、昨年より7件増加した。

6.ニューガラスに関連する産業及び科学技術に関する機関誌の発行  (定款 第4条第1項第6号関係)

 機関誌“NEW GLASS”の発行(編集委員長:名古屋工業大学 早川 知克 教授) 
 ニューガラスに関する国内外の新製品・新技術の紹介、内外のニュース、関連産業の動向、技術解説を内容とした機関誌“NEW GLASS”を、2019年度も3回刊行し、会員ならびに定期購読者(現在約90名)等に提供した。機関誌は、産・学・官11名で構成された編集委員会を年3回開催し、より充実した企画内容ならびに構成を図っている。各号では、技術テーマの最新情報などをまとめた特集記事を提供しており、今年度は以下の通りであった。特に第128号では、ニューガラスフォーラムの合同研究会で講演された内容をとり上げた。今後も機会があれば、ニューガラスフォーラム諸活動を横断的に連動させた企画を行いたいと考えている。
     第127号(2019年07月01日)「ガラスの着色」
     第128号(2019年11月01日)「溶融技術,融液の評価技術  〜ニューガラスフォーラム研究会から〜」
     第129号(2020年03月01日)「ガラスと計算科学」

7.ニューガラスに関する標準化・規格化の調査研究  (定款 第4条第1項第7号関係)

 (1) JIS R 3252-1994「ガラスのレーザ干渉法による均質度の測定方法」
  日本光学硝子工業会がISO国際幹事国(TC172/SC3)であるISO 17441「Optics and photonics−Optical materials and   components−Test method for homogeneity of optical glasses by laser interferometry」は、2014年に当該JIS R 3252を参照して発効されたが、今年9月のSR(定期見直し)で「改訂」に投票された。主な理由は、現在のガラス均質性測定法は当時と比べて大きく変化し、また、データ解析方法が多様化していることがあげられる。ISO 17441は、2022年以降に改訂版発効となるが、この改訂版発効を受けて、当該JISについても内容の見直しを実施する方向で検討を開始した。見直しの際には、別途改訂委員会を設置して進めることとし、日本光学硝子協会とも連携しながら実施する予定である。
 (2) JIS 3255-1997「ガラスを基板とした薄膜の付着性試験方法」
  日本光学硝子工業会(光学薄膜研究会)から、「プラスチックを基板とした光学薄膜の付着性試験方法」に関するJIS原案作成の検討が提案されており、当該JISの内容確認と今後の整合性をとるための申し入れがあった。上記JISにおいては大幅な内容改訂にはならないが、提案された新規の原案策定の内容・経緯を把握するため、NGF事務局から委員として原案策定委員会に参加し、その進捗を確認中である。
 (3) その他
  上述のJIS R 3252の定期見直しを行い、日本規格協会と相談の上、「対応国際規格の改定があるため、改訂後のISO 17441に準じた規格改訂を行う予定」として提出した。その他、ガラスの測定・評価技術のJISについては、ICG/TC18(第18技術委員会)等での新規技術の提案や既存技術に関わる標準化への顕著な動きは無かった。

8.ニューガラスに関連ある内外の団体、学会及び研究機関との交流及び協力  (定款 第4条第1項第8号関係)
 
 (1)経済産業省、NEDO及び材料関連6団体との情報交換会は4回開催(6月、9月、11月、1月)され(3月は延期)、経済産業省   ならびにNEDOから、最近の研究開発動向や経済産業政策、経済産業技術に関わる2020年度概算要求内容などについて    説明ならびに意見交換を実施した。
 (2)ガラスの基礎研究ならびにそれに取組む(若手)研究者の減少傾向と、ガラス基礎研究を進める上での研究資金不足という    現状を背景に、ガラス産業界もその認識を共有し、かつ、課題解決を見出すべく、そのための活動を開始した。有志による事    前検討を2回(2019年3月24日、2019年6月13日)実施した上で、NGFが事務局を担うGICプロセス・材料技術部会にワーキン   ググループ(学、産、官(産総研))を構成し、検討のための会合を開催した(第1回:2019年12月4日、第2回:2020年3月19日   (Web会議))。その結果、各分野からの意見の取りまとめ、ならびに、今後の取り組み方についてのガイドラインを決定した。
 (3)AFPG(International Conference on Advances in Fusion and Processing of Glass:ガラス製造プロセスに関する国際会議)   は、これまで11回は米国とドイツで持ち回り開催されてきたが、今回から日本も加わることとなった。2020年12月7日〜9日(東   京工業大学内)の期間、GICシンポジウム、ガラスおよびフォトニクス材料討論会、放射性廃棄物ガラス討論会とともに国際会   議として開催されることが決定し、本学会の開催に向けた取組みを、NGFが事務局を務めるGICプロセス・材料技術部会内で    開催準備を進めている。
 (4)IYG2022(International Year of Glass 2022:国際ガラス年2022)開催の提案がなされ、ICG Presidentから、本イベントへの   賛同要請があったことを受け、ニューガラスフォーラムならびにガラス産業連合会は、本活動への積極的な協力を実施すること   になった。
 (5)ガラス産業連合会(GIC)の活動として、環境広報部会、環境技術部会、プロセス・材料技術部
   会の委員ならびに事務局として参画した。大学・研究機関との交流活動(7月:秋田大学、11月:名古屋工業大学)の企画・遂   行、環境に関わる諸活動および運営事務局としての活動等を予定通り実施した。

9.前各号に掲げるもののほか、本会の目的を達成するために必要な事業  (定款 第4条第1項第9号関係)

(1)溶融シミュレーション研究会(主査:東京工業大学 佐藤 勲 教授)  
  本研究会は、2016年度後半からは、主にGICFLOW(*)利用者がその使用過程で見つかった課題の解決や今後のさらなる活用法に関して意見交換する“討論会”と広義のシミュレーション技術に関する講演や交流を図って知見を深める”講演会”で構成され、2019年度は全3回の開催を計画した。ただし、新型コロナウイルス感染拡大抑制の観点から、3月に開催を予定していた第3回研究会は中止とした。
 11月開催の第2回研究会では、日本エア・リキード(株)東京イノベーションキャンパス(神奈川県横須賀市)の見学会を実施した。参加者数は20名(全2回の平均)であり、昨年度(30名)よりも大きく減少した。
     第1回研究会:討論会 GICFLOWによるエンドポート窯のシミュレーション
              講演会 フロートガラス溶融窯シミュレーション、太陽電池用ガラスの再生
                                                         (2019.07.26)20名(於:NGF)
     第2回研究会:見学会 日本エア・リキード(株)東京イノベーションキャンパス
              講演会 高レベル放射性廃液のガラス固化と結晶相
                                              (2019.11.08)19名(於:日本エア・リキード(株))
     第3回研究会:中止(討論会 画像解析によるガラス溶融過程の解明
                 講演会 ガラス溶融用機器のシミュレーション、熱交換器)
                      * GICFLOW:Glass Intelligent Cord / Glass Flow Simulator

(2)気中溶解技術の普及   
 昨年度に引き続きバーナー普及活動を行い、数社からの問い合わせに対応した。うち、1社では製造プロセスへの適用を前提とした導入を検討中である。


[U]業務執行の概要    
1.総会
 2019年6月20日に(一社)ニューガラスフォーラム第9回定時総会を開催した。
   決議事項    第1号議案 2018年度事業報告案ならびに収支実績案及び決算案の件
             第2号議案 2019年度事業計画案ならびに収支予算案の件
             第3号議案 2018年度・2019年度役員(理事・監事)の件 
2.理事会
 2019年6月20日に第23回理事会を開催した。
   決議事項    第1号議案 2018年度事業報告案ならびに収支実績案及び決算案の件
             第2号議案 特別会員選任案の件
  2020年3月24日に第24回理事会を開催した。
   決議事項    第1号議案 2020年度事業計画案の件
              第2号議案 2020年度収支予算案の件
             第3号議案 国際ガラス年2022(IYG2022)活動協力の件

3.事務局 
 役員・職員として2019年4月1日現在の人員は常勤役員1名・出向職員2名・嘱託職員7名・派遣職員0名・出向研究員(つくば)0名・嘱託研究員(つくば)1名・補助研究員(つくば)2名の計13名であった。2020年3月31日現在の人員は常勤役員1名・出向職員2名・嘱託職員7名・派遣職員0名・出向研究員0名・嘱託研究員1名・補助研究員2名の計13名となっている。

2019.4.1
現在
増減 2020.3.31
現在
常勤役員  1名  0名  1名
出向職員  2名  0名  2名
嘱託職員  7名  0名  7名
派遣職員  0名  0名  0名
出向研究員  0名  0名  0名
嘱託研究員  1名  0名  1名
補助研究員  2名  0名  2名
合計 13名  0名 13名



2020年度事業計画
2020年4月1日より2021年3月31日まで
(事業の概要)

 2020年は、中東情勢の緊迫化、米中間の貿易摩擦、イギリスのEU離脱問題等に加え、今秋にはアメリカ大統領選挙も控えており、不確実な世界情勢が予測される年になると思われる。さらに、新型ウイルスの感染拡大という新たなリスクが発生し、この先の日本の経済活動にも多大な影響を及ぼすことも予想され、先が読みにくい状況が継続すると思われる。
 ガラス産業界においても取り巻く環境はたいへん厳しい状況が見込まれるが、絶え間なく、新しい技術や機能、商品等の発揚を目指して、ガラスの高機能化、高付加価値化、新たな用途開発等に向けた取り組みを継続し、進めていくことが重要と考える。
 ニューガラスフォーラムは、ガラスの技術領域を支える団体であり、今後とも、会員企業の期待に応えられるよう、基幹の活動を進めていくとともに、様々な情報収集とその提供、ガラス研究を支えるデータベースの運用、若手技術者の教育などの活動を行うとともに、活動の重点化や内容の見直しを行いながら活動に取り組みたい。
 一方、国内のガラス産業分野においては、次世代を担う基礎研究の縮小や人材の不足などの傾向が顕著であり、2019年12月には、その課題解決をサポートし、将来のガラス産業界に貢献できるような仕組みを造るべく、ガラス産業連合会のワーキンググループを立ち上げ、本格的な検討を開始した。本年は、これらの仕組みを造り、関係機関への働きかけを行うことによって、その遂行のための資金獲得を目指す。また、12月に開催されるAFPG(ガラス製造プロセスに関する国際会議)などの国際学会への参画、2022年に予定される国際ガラス年活動への準備協力など、国際的な活動への取組みのウエイトを高めつつ、引き続き、日本のガラス業界が世界に発信できる新しい技術や製品等の創出に貢献できるよう活動を進める。
 ニューガラスフォーラムの基軸となる活動である、機関誌”NEW GLASS”の刊行、ガラスデータベース”INTERGLAD”の利便性向上、機能の充実化および拡販、さらには、若手あるいは新たにガラス分野に携わる方などへの教育・啓蒙活動の一環で行っているニューガラス大学院は、内容のさらなる改善を行いつつ本年も実施する。
 これらの活動に加え、研究会は昨年度と同様、ガラス科学技術研究会および評価技術研究会を開催するとともに、合同研究会を春秋に2回開催する。別途開催予定のセミナーとの内容差別化や、機関誌特集記事との連動企画、若手懇談会講演会との連動も考慮し、ニューガラスフォーラム全体として、研究会、セミナー、講演会の今後の在り方についても検討する。

 以下、定款の箇条に従い、2020年度の事業計画を述べる。


1.ニューガラスに関する産業及び技術開発動向等の情報の収集及び提供 (定款 第4条第1項第1号関係)

 ニューガラスフォーラムの活動(研究会、セミナー、講演会等)や外部学会等で得た技術開発動向や情報を、当会が運営するホームページ、機関誌”NEW GLASSS”を通じて、会員への情報発信を継続する。ホームページは、「シーズとニーズの出会いの場」と「メーカーとユーザーの積極的な情報交換の場」として運用し、各種のイベント企画などのタイムリーな情報発信に努める。

2.ニューガラスの産業及び技術開発等に関する調査 (定款 第4条第1項第2号関係)

 将来を支えるガラス産業の基礎的な技術領域を調査するために、ガラス産業連合会で策定した「ガラス産業技術戦略2030年」の内容を見直しながら参照することにより、技術分野ごとの、特に共通的な分野やガラスの技術・産業のあるべき姿やなすべきことなどを見直していく。

3.ニューガラスに関する研究開発 (定款 第4条第1項第3号関係)

 三次元光デバイス・ナノガラス研究事業      
 2020年度も引き続き、NEDOプロジェクト「ナノガラス技術」(2000年〜2006年)と「三次元光デバイス高効率製造技術」(2006年〜2011年)で得た成果とこれらに関連して新たに創出した研究成果の普及を具体的製品に対して実施する。レーザを利用した加工やデバイス技術は、すでに複数の企業において使用されるようになってきたことを受け、その動向の確認に留める。一方、従来手法とは異なるガラスの強化技術については、引き続き技術の普及を図り、会員会社数社との間で具体的な製品適用を目的として取り組む。

4.ニューガラスに関する講習会、講演会、セミナー及び研究会等の開催 (定款 第4条第1項第4号関係)

(1)研究会の開催
    
 ガラス産業発展のための産学官交流および研究者・技術者の育成を目的とした研究会を、昨年度に引き続き年間6回開催する。ガラス科学技術研究会および評価技術研究会を各2回開催するとともに、両研究会の相乗効果が期待されるガラス科学技術・評価技術合同研究会を2回開催する。

@ ガラス科学技術・評価技術合同研究会
 2017年度から開催している合同研究会では、設定したテーマに対しガラス基礎技術と評価技術の両面から幅広く講演内容を企画できることから、参加者も多く好評を得ている。2020年度は昨年同様に年間2回の開催を予定しており、「ガラスの成形(成型)」、「AI・シミュレーション・計算科学」をテーマとし、それぞれ秋季および春季の開催を企画する。
A ガラス科学技術研究会
(主査:九州大学  藤野 茂 教授)     
 本研究会は、ニューガラス産業の基盤となる「ガラス基礎技術の発展と普及」を目指し、大学、公的研究機関および企業における「ガラス技術の新たな展開や顕著な進展に関する話題」を取り上げるとともに、「最近の製品化事例」などを交えながら、産・学・官の第一線で研究開発に携わる方々を講師として、企業の発展に不可欠な「科学的理解と基礎技術の深化」について考え、議論する場であり、参加者の交流の場を提供する。対象とする基礎技術は、ガラス素材創製、ガラス構造、ガラス表面、溶融・成形・加工技術、計算機科学などであり、2020年度は、「公的研究機関の見学会等」の開催、および「AR・VR・MRとガラス」をテーマとした研究会を予定する。
A 評価技術研究会(主査:豊橋技術科学大学 武藤 浩行 教授)      
 「ガラス製品の開発支援技術の強化と普及」に向けて、ガラス製品の商品化において求められる各種評価技術について、企業における現状と課題それらに関連する大学・公的研究機関の研究や類似材料の評価例などを話題として取り上げる。産・学・官の第一線で研究開発に携わる方々を講師として、「評価技術および評価の深掘と共有化」を目的とし、ガラスとその表面に関する分析・解析技術、熱物性、機械物性、光物性、形状等の測定技術を対象とする。2020年度は、「ガラスにおける光学的高機能化」をテーマとした研究会と「外部研究機関の見学会/講演会」の開催を予定する。

(2)セミナーの開催(主査:滋賀大学 徳田 陽明)    
 ニューガラス製品の研究開発に携わる研究者・技術者等を対象に、ガラス技術およびニューガラス応用製品について、話題性の高い最新技術動向等をタイムリーに紹介することを目的とし、年間3回の開催を予定する。本年度は、「バイオガラスおよびガラスの新しい成型法」、「ガラス表面処理と状態評価」、「イオン導電性材料と全固体電池/イオンリチウム電池」を企画予定である。

(3)講座の開催  
 ニューガラス大学院 (委員長:愛媛大学 武部 博倫 教授)      
 ガラスの研究・開発・製造・応用に携わる人材の育成に寄与するため、大学教員や企業の研究者・技術者等の各分野の一流講師による、基礎・応用課程の計18テーマでの講座を各2日、計4日間の日程で10月に東京で開催する。本年度も昨年度と同じく、基礎課程では材料科学からガラスの諸物性について、また応用課程では、ご好評をいただいている製造フローに沿っての各技術の講座とする。企業の若手研究者・技術者や大学院生の他に、GIC会員やガラスに関心を持つユーザー及び他分野の研究者・技術者などにも広く呼び掛け、中堅の方々の受講も募る予定である。本年度は5テーマで講師が交替する。今年度は、受講者アンケートを反映し、機械学習・マテリアルインフォマティックスに関する講義を、特別講座として応用課程で実施する。また、別日程で、ガラスの初学者や文系学部出身者に向けたガラスの基礎的な講座の開設を検討する。

(4)若手懇談会の開催 (会長AGCテクノグラス梶@長田 崇)      
 若手懇談会は、当会の会員企業及び当会に関連の深い産・学・官の若手(2020年度登録会員20名)が、最新のニューガラスに関する研究・開発課題・用途に関し意見交換を行うとともに、会員間の人的交流を行う場として実施している。会の運営は産・学より選出された役員(12名)が自主的に行い、年5回の役員会を開催する。本年度は「興味を広げる」という方針に基づき、年4回の講演会を開催する予定である。内1回は知見を拡げる場を提供する目的から、見学会を実施する。若手懇談会会員のみならず、広く参加者を募り、できるだけ多くの参加者が参加できるよう努める。若手懇談会は、現在、講演と交流を意図して活動しているが、将来のガラス分野の研究・開発を担う若手人材の啓蒙や育成の場としても活動することを考え、その方法や運営についての検討を行う予定である。

(5)見学会の開催       
 ガラスに関する知識・知見の向上と交流を図るため、会員企業やガラスに係わる企業・施設等を訪問する見学会を開催する。企画、運営は各研究会、若手懇談会と連携を図り行う。

5.ニューガラスに関連するデータベースの構築、維持及びその提供 (定款 第4条第1項第5号関係)

 国際ガラスデータベース”INTERGLAD”(委員長:東京大学 井上 博之 教授)   
 データベースを充実させるための重要な要素であるガラス特性及び構造データの追加登録を本年度も継続して行う。また、学会等を活用した、普及のためのPR活動や、講習会を年2回開催し、これらを通じて得られるユーザーからの要望への対応を行っていく。加えて、変化の著しいインターネット環境に対応して、既存ユーザーの利便性を損なわないよう、最新のVer8機能の継続的な改良・整備を進める。昨年度、Javaに制約されないINTERGLAD Lite (Web版)についても、リリースを行ったが、スタンダード版と比較して機能が限られるため、ユーザーの希望に応じて機能の充実を図る。また、本年は、データベースの活用による機械学習の取り込みを目的とした勉強会開催を計画する。

6.ニューガラスに関連する産業及び科学技術に関する機関誌の発行   (定款 第4条第1項第6号関係)

 機関誌“NEW GLASS”の発行 (編集委員長:名古屋工業大学 早川 知克 教授)     
 ニューガラスに関する国内外の新製品・新技術の紹介、ニュース、関連産業の動向や技術解説等を内容とした機関紙“NEW GLASS”を年3回(7月、11月、3月)発行し、会員や一般購読者(約80名)に役立つ情報を提供する。発行にあたっては、学、産で構成される編集委員会を年3回開催する。「特集記事」は、話題性が高い技術テーマを取り上げ、その分野の主に産・学の方に投稿頂き、毎回、総論を含めて、体系的に掲載できるよう努める。

7.ニューガラスに関する標準化・規格化の調査研究 (定款 第4条第1項第7号関係)  
 (1)JIS R 3252-1994「ガラスのレーザ干渉法による均質度の測定方法」
  日本光学硝子工業会が国際幹事国であるISO 17441(*)は、JIS R 3252を引用して作成されているが、データ解析方法の多様 化などを理由に、今後、改訂が予定されている。この改訂作業を受けて、当該JISについても、改訂後のISO 17441に準じた規格改定を行う予定。改訂にあたっては、関係者で構成される原案改訂委員会を設置する必要があり、日本光学硝子工業会や日本規格協会等と連携しながら、その準備活動を実施する。
(*)ISO 17411 “Optics and photonics−Optical materials and components−Test method for homogeneity of optical glasses by laser interferometry”
 (2)JIS3255-1997「ガラスを基板とした薄膜の付着試験方法」
  日本光学硝子工業会(光学薄膜研究会)において、「プラスチックを基板とした光学薄膜の付着試験方法」に関するJIS原案作 成検討がなされることから、ニューガラスフォーラムが原案作成団体であるJIS3255-1997との整合性を確認するため、JIS原案作成委員会に委員として参画し、その推移を把握する。
 (3)JIS原案作成団体として、JIS(ガラスの測定・評価方法)の維持・改廃検討を、日本規格協会からの情報収集を含めて継続する。また、ガラス物性や特性の測定、評価技術を中心に、新たな規格化等の必要性(ニーズ)を探っていく。

 
8.ニューガラスに関連ある内外の団体、学会及び研究機関との交流及び協力 (定款 第4条第1項第8号関係)
 (1) セラミックス協会(ガラス部会)やガラス産業連合会との連携を密に、学会活動を始めとした協力や参画を行う。特に、       2022年に実施される予定の「国際ガラス年(IYG2022)」の準備活動、12月7日〜9日に開催される「AFPG2020(ガラス製造    プロセスに関する国際会議)」をはじめとする国際学会への参加、将来のガラス分野の基礎的な研究を活性化し、ガラス産     業界への貢献を目的とした活動などへ積極的に参画していく。
 (2) 経済産業省・NEDO・材料関連団体連絡会に引き続き参加することにより、素材や材料の関連団体との意見・情報交換や    、国家プロジェクトの状況、研究開発戦略の動向等の情報収集を図るとともに、適宜その情報の共有化を実施する。
 (3) 「ガラス産業連合会(GIC)」の環境広報部会活動ならびに環境技術部会活動とプロセス・材料技術部会の委員ならびに事     務局を担当して、諸活動の推進を行う。特に、プロセス・材料技術部会では、(1)項で述べた内容を始め、GICシンポジウム    、大学との交流会開催などで、その活動の主導的な役割を担う。

9.前各号に掲げるもののほか、本会の目的を達成するために必要な事業(定款 第4条第1項第9号関係)

(1)溶融シミュレーション事業 (主査:東京工業大学 佐藤 勲 教授)    
 NEDO先導研究「直接ガラス化による革新的省エネルギーガラス溶解技術の研究開発」(2005〜2007年度)とNEDOプロジェクト「革新的ガラス溶融プロセス技術開発」(2008〜2012年度)において、ハードウエアである試験炉の開発とそれを支えるソフトウエア(GICFLOW(*))が作成された。これらの成果普及活動を行いながら、2015年度から「溶融シミュレーション研究会」として、ガラス溶融技術の深堀に活動の軸足を移している。本年度も年間3回の研究会を開催し、GICFLOWを活用していく上での課題提起と解決、および、さらなる向上を目指すために行う討論の部と、溶融プロセスのシミュレーション技術を主とした講演の部を行い、溶融技術の深掘りと参加者の交流を図っていく。
   * GICFLOW:Glass Intelligent Cord/ Glass Flow Simulator

(2)気中溶解技術の普及 
 2020年度も引き続き、NEDOプロジェクト「革新的ガラス溶融プロセス技術開発」(2008〜2012年度)の成果普及活動の一環として、同技術の特徴が発揮しやすいガラス製品分野を中心に、国内企業への宣伝・啓蒙活動、技術・ノウハウの提供および指導等を進めていく。現在、本溶解技術に関する企業からの引き合いは継続し、研究開発用途における適用、実用化を目指した開発を検討している企業も現れている。これまで、実験用の小型バーナーを使用した実用化および新素材開発のための取組み支援を実施してきたが、本年度も引き続き支援活動を推し進めていく。

トップページへ戻る