若手懇談会第80回例会
第80回講演会報告について


第81回若手懇談会開催報告

【日時】2005年10月19日(水)14時〜17時
【場所】(社)ニューガラスフォーラム 田中田村町ビル8階A・B・C会議室
【参加人数】28名(講師3名、事務局は除く)
     (懇親会参加者:24名+講師3名+事務局1名)

【講演内容】
 今回の若手懇談会は28名の方に参加いただき、3件の講演および懇親会を開催いたしました。今回は"分析"をテーマとして講演を企画し、先端技術に関わる分析、ガラス分析そのもの、Spring-8などそれぞれ興味深い内容で、とても有意義な懇談会とすることができました。


[講演1]「フロートガラス表面のキャラクタリゼーション」
      旭硝子(株) 竹田 諭司 先生

 ナノテク、MEMS、バイオチップなどの先端分野においても近年ガラスは頻繁に使用されるようになり、ガラスに求められる特性は窓ガラスなどの板ガラスに求められるものとは比較にならないほど高度化し、ガラス表面の特性コントロールは高機能ガラスを得るためのキー技術となってきています。講演はガラス表面の特性から、コントロール方法にわたる大変興味深い内容でした。 配布資料にも“より高度な表面解析技術が不可欠であり、評価技術と表面エンジニアリング技術の両者がともに発展することにより、新たなガラスの応用展開を期待したい”とあり、さらなるガラス表面のコントロール技術向上による先端技術の革新に期待したいところです。

参考資料:
J.C.Vickerman, Surface Analysis: The Principal Techniques (Willey, New York 1997).
L.A.B Pilkington, Prc Roy Soc. Lond. A314, 1(1969).
大場洋一 ガラスの表面設計
土橋正二 ガラス表面の物理化学

[講演2]「ガラス分析方法の紹介と注意点」
      日本板硝子テクノリサーチ(株) 田尻 善親 先生

 ガラス分析を受託する最も有名な会社の一つである日本板硝子テクノリサーチ株式会社から、分析、試験、評価を中心に、分析計画から、サンプリング方法、各種装置の原理とその得意分野など、ガラス分析に関わる内容全般について説明を受けました。配布資料、OHP映し出された図、表は非常にわかりやすくまとめられてあり、分析に関わる際に活用していけそうです。また、試験・分析における注意点も説明していただき、今後分析を依頼する際も含めて、気をつけていこうと思いました。

参考資料:
日本板硝子テクノリサーチ株式会社ホームページ http://www.nsg.co.jp/ntr/
「ガラスハンドブック」、作花済夫 他、朝倉書店(1975年)

[講演3]「放射光を利用した評価技術のガラスへの応用」
      住友電気工業(株)  飯原 順次 先生

 SPring-8と名前はよく聞くものの、実際にどんな施設で、どういうことに利用されているのか、よくわからない人もいると思います。本講演は、そんな人でもわかるように、放射光の発生方法から、放射光の特徴、放射光施設の説明など基本的な内容からから始まり、SPring-8の規模、利用方法が説明され、興味を持ちやすい内容だったと思います。SPring-8をはじめとする第3世代の放射光施設は、これまで見えなかったものを見えるようにしてくれる夢の光であり、ガラス分析技術の進歩、そしてガラス製造技術の進歩につながっていくことを期待したいです。

参考図書:
XAFS全般
「X線吸収微細構造―XAFSの測定と解析―」、宇田川康夫 編、 日本分光学会測定法シリーズ26 学会出版センター
「X線吸収分光法―XAFSとその応用―」、太田俊明 編、アイピーシー
ソフトウエア
The UWXAFS Project.ホームページ: http://depts.washington.edu/uwxafs/
WinXASホームページ:http://www.winxas.de/
FEFFホームページ: http://leonardo.phys.washington.edu/feff
DV-Xαホームページ: http://www.sci.hyogo-u.ac.jp/ykowada/
「はじめての電子状態計算」、足立裕彦 監修、三共出版


 講演会の後には恒例の懇親会が開かれました。今回は盛り上がったのか、ビール係(?)が調整する必要もなく、ビールがどんどんなくなっていきました。懇親会でも活発な議論が行われていたようです。
 また今回で笹井会長を含め4人の役員が交代、懇親会の席で中根新会長が紹介されました。

以上

2005年11月21日
若手懇談会 副会長
辻 良太



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