若手懇談会第82回例会
第82回講演会報告について


第82回若手懇談会開催報告

【日時】2006年2月17日(金)14時〜18時
【場所】(社)ニューガラスフォーラム 田中田村町ビル8階A・B・C会議室
【参加人数】28名(講師3名、事務局は除く)
     (懇親会参加者:27名+講師3名+事務局1名)

【講演内容】
 今回の若手懇談会は28名の方に参加いただき、3件の講演および懇親会を開催いたしました。今回は”お客様から見たガラス”をテーマとして講演を企画し、住宅、自動車、液晶ディスプレーの各分野から講演をしていただいた。質疑応答も活発で、とても有意義な懇談会とすることができました。


[講演1]「住宅開発者から見たガラス」
      独立行政法人物質材料研究機構 物質研究所 小池 長 先生

 「環境」、「健康志向」、「高齢社会」などがキーワードに、これまでと今後の住宅用ガラスについて分かりやすく解説していただいた。特に環境のキーワードに対する代表的な商品として複層ガラスとグラスウールを挙げていた。他の先進国に比べ、複層ガラスの普及が遅れている現状をうかがい、少々意外に思えた。高齢化社会への適応を考えると、複層ガラスへ求められるのは、軽量化・薄型化・サッシ部分も含めた改善ということになるようである。


[講演2]「自動車におけるボデー外製品の基礎設計」
      三菱自動車工業株式会社 近藤 康正 先生

 樹脂材料を含めたボディーの内装・外装に関する分かりやすい解説をしていただき、その後、ガラス材料に関するご要望をいくつか頂いた。ガラスに関しては、デザイン側の意見として、従来以上に折れ曲がった板ガラス、技術者側の意見としては、穴を開けても割れないガラスなどへの強い要望があった。最近、開放感のある室内空間を持った自動車に人気が集まり、ガラスがより多く使われるとともに、ガラスメーカに対しては形状などのより厳しいご要望があることが伺えた。


[講演3]「液晶ディスプレイについて(新しい映像情報文化を担う液晶ディスプレイ)」
      シャープ株式会社 丸尾 英司 先生

 液晶ディスプレイの市場動向、基本原理から始まり、シャープの液晶ディスプレイの特徴技術とガラスへの期待要求について講演されていた。最近、日本国内市場では薄型テレビの販売台数がブラウン管テレビを上回り、その多数を占める液晶に関する参加者の関心は高かった。筆者も含め、ガラスメーカーからの参加者は、将来の液晶パネルにガラスが使われ続けるか、それとも樹脂材料などに取って代わられるかが気になるところですが、しばらくはガラスの頑張りどころです。市場が薄型軽量化への潜在的な要求があり、ガラスに求められる特性としては、「薄くても割れないガラス」を強く主張し、また、「樹脂材料と競うことにより、ガラスの性能向上を図って欲しい」と希望しておられた事が印象的であった。



 講演会の後には恒例の懇親会が開かれました。講師の周りは常に人だかりで、懇親会でも活発な議論が行われていたようです。飲むのを忘れて議論が活発すぎたために、ビールがあまり減っていなかったような気がするのは、筆者の思い込みでしょうか? 懇親会の中締めで、3名の講師に一言ご挨拶をいただき、ガラスの若手研究者への激励となりました。
 今回は新役員の初仕事でした。慣れないため、講師の方や出席者には、多少ご迷惑をおかけしたと思います。次回以降は、さらに頑張って、この会が皆様の有意義な交流の場になるように努力します。多くの方のご参加を希望します。よろしくお願いします。

以上

2006年3月4日
若手懇談会 副会長
松本 修治



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