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90回講演会報告について
第90回若手懇談会開催報告
【日時】2008年 2月12日(火)13時30分〜19時 【場所】(社)ニューガラスフォーラム 田中田村町ビル8階A・B・C会議室 【参加人数】46名(講師3名、事務局は除く)
【講演内容】 今回の若手懇談会は前川先生(愛媛大)、青木先生(日本電気硝子(株))、瀬尾先生(サンゴバン ティーエム(株))の3人の先生にご講演をいただきました。
[講演1]「ガラスおよびその融体の酸・塩基と酸化・還元」 愛媛大学 前川 尚 先生
ガラス製造や物性評価における基本的な概念の一つである「ガラスおよびその融体の酸・塩基と酸化・還元」について、前川先生が行ってきた実験や考え方をお話いただいた。光学的塩基度、電気陰性度均等化などを使用するに当たっての長所・短所、酸化・還元の理解に必要なエリンガム図の見方などについて教えていただいた。今後、新しい製品を作るにあたり、融解時に泡の発生制御、光学ガラスにおける遷移金属イオンや希土類イオンがガラスの素地との関係を考える際に、有効に活用できると思われる。
[講演2]「ガラス融液の特性評価とその応用」 日本電気硝子株式会社 青木 重明 先生
ガラス融液の諸特性(表面張力、ガス溶解度、ガス拡散係数等)について、評価方法と測定例を紹介していただき、青木先生のグループが実際に行った実験事例について講演いただいた。 高効率ガラス製造技術を構築する上では、ガラス溶融工程において生じる現象を解析し、各要素反応の最適化を図ることが望ましく、特に泡品位については清澄過程の正しい理解と、その現象を支配するガラス融液特性を正確に評価する技術が必要となる。紹介していただいた評価方法は、今後泡品位を検討する際の一助になりうると思われる。
[講演3]「ガラス工業炉用電鋳耐火物の動向及び開発について」 サンゴバン ティーエム株式会社 瀬尾 省三 先生
近年のLCD,PDPに代表されるフラットパネルディスプレー用の薄型で大型のガラス製品、特殊ガラス用溶融炉に高耐食性を有する高ジルコニア電鋳耐火物が使用されている。瀬尾先生には、高ジルコニア電鋳耐火物の標準品SCIMOS
Z、電気抵抗を高めたSCIMOS CZ、高耐食性・低発泡性のSCIMOS
UZ等の電鋳耐火物について、その特徴を実験データを交えて紹介いただいた。
今回の講演会のテーマは「ガラスの熔融技術」でしたが、とても多くの方に参加していただき盛況でした。開始時間のずいぶん前から会場が一杯になっているという状況で、参加者の意欲の高さを強く感じました。また、講演会のテーマ選定の重要性も改めて認識させられました。今後も会員の皆さんの希望に応えられるような講演会を企画していきたいと考えています。恒例の懇親会も多くの方に参加していただき、とても盛り上がりました。これからも若手懇談会をどうぞよろしくお願いいたします。
以上
2008年3月13日 若手懇談会 副会長 宮地 正己、深沢 祐司
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