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92回講演会報告について
第92回若手懇談会開催報告
【講演内容】 [見学会] ファインセラミックスセンター ファインセラミックスセンターの研究所の内、材料技術研究所、ナノ構造研究所の見学をさせていただいた。材料研究所では人工関節の磨耗試験やミリ波を利用した高周波測定技術の国際標準化の活動を紹介いただいた。またナノ構造研究所ではTEM観察・解析をご説明いただいた。研究員の方との質疑も活発であり、セラミックスの知見をガラス開発に活かしたいという参加者の意欲を感じました。
[講演1]「焼結シミュレーションの研究・開発」 焼結シミュレーションの手法として、粒界・界面を調べる分子動力学計算(MD)、焼結・粒成長を調べるモンテカルロ計算(MC)、焼結のミクロ・マクロ過程を連携してシミュレーション可能なMC法と有限要素法を組み合わせた計算(MC-FEM)の紹介をいただいた。特にMD計算の例として粒界にガラス層が存在した場合の界面ガラス構造や、MC計算での2粒子間の固相焼結としてガラス同士の焼結に相当する場合の粒界の変化などを紹介いただいた。またMC-FEMでは積層体の焼結で問題となる反りのシミュレーションも可能であることなど説明いただいた。ガラスの作製手法として、ガラス粉末を焼結させる方法は知られており、セラミックス技術からガラス開発に役立つ知見を得ることができたと思われる。
[講演2]「結晶化ガラスの基礎と応用」 ご講演では結晶化ガラスの核形成とその結晶成長の基礎理論、及び分相や核形成物質を含まない製法のご紹介をいただいた。さらにその製品例や最近の結晶化ガラスを用いた非線形結晶の作製などの話題を提供していただいた。結晶化ガラスの応用として低熱膨張性能、表面結晶化、蛍光特性などを挙げていただき、新規機能性ガラスの開発手法としても非常に有益な知見が得られたと思われる。 今回の講演会は開催場所を愛知県名古屋市で行いましたが、関西・関東両方からご参加をいただきました。また見学会を通してはセラミックスの研究・分析技術もガラス開発に大いに役立つことを再認識することができました。講演では質問も多く、参加者の方にも興味をもって聴講いただいたと考えております。恒例の懇親会にも多数の参加をいただき、活発な意見交換・交流ができました。これからも若手懇談会をどうぞよろしくお願いいたします。
以上
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