若手懇談会前回の講演会
97回講演会報告について


第97回若手懇談会開催報告

【日時】2009年10月23日(金)13時〜17時10分
【場所】ニューガラスフォーラム会議室

[講演]「ガラスの分相化と機能化」
      兵庫県立大学 矢澤哲夫 先生

 ガラスの分相現象について、基礎的な概念から、NMRによる構造解析・熱処理と分相構造の関係に至るまで詳しく解説頂いた。また、応用例として多孔化した分相構造を利用したホローファイバーによるガス分離膜や、電解質ガラス、さらには分相構造中にナノ結晶を析出することで作製した機能性ガラスについて、最新の研究成果も含めてご説明頂いた。ガラスの分相現象について幅広い知識を得るとともに、最新のガラス技術の多様な広がりに触れることがきることができました。 矢澤先生ご講演



[講演]「”ゼロからの出発” (あくなき挑戦)」
      ユーヴィックス(株) 森戸祐幸 先生

 光ファイバが今日のように広くは知られていなかった1973年に、光ファイバの将来性に注目され、ビジネスを起こし事業として大きな成功を収めたお話など、これまでの先生の実体験に基づいた講演をして頂いた。現在はUV関連事業を基盤とした、新たなベンチャー企業を立ち上げ、ゼロからの再スタートを遂げられている。ビジネスをゼロから始めることの難しさと同時に、これを実現するために、常に前向きに挑戦していく姿勢の大切さを知ることができ、大変参考になりました。 森戸先生ご講演



[講演]「ヴァルトグラスの技術と製造」
      元 東芝硝子(株) 黒川高明 先生

 光ソーダの入手が困難であった中世北西ヨーロッパにおいて、ブナやシダの灰を融剤とすることで製造が始まったヴァルトグラスについて、その製法・歴史についてご解説頂いた。また、灰精製の工程において、組成が不適合となってしまったガラスに発生する病気(グリズリング)のメカニズムについてもご解説頂いた。人類の長いガラス製造の歴史と、その中で発生した技術的な問題をいかに解決してきたかというお話を聞くことができ、若手技術者にとって貴重な経験となりました。 黒川先生ご講演



 今回の講演会では、ガラスの技術に関するお話、起業・会社経営に関わるお話、ガラスの製造史に関わるお話と、ガラスを中心としながらも、非常に幅広いご講演を聴くことができ、参加者の皆様にも楽しんで頂けたと思います。また、今回ご講演頂きました3人の先生方ならびに多くの参加者の皆様には講演後の懇親会にもご参加頂き、本会を盛り上げて頂きましたこと、感謝致します。今後ともNGF若手懇談会をよろしくお願い致します。

以上

2009年11月25日
若手懇談会 副会長
米沢 和泰




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